共同創造 Co-production 資料03: INVOLVE「研究におけるco-production(共同創造)についてのガイダンス」

今回は、英国の“INVOLVE”という団体により公開された「研究におけるco-production(共同創造)についてのガイダンス」(Guidance on co-producing a research project)をご紹介いたします。
https://www.invo.org.uk/posttypepublication/guidance-on-co-producing-a-research-project/
(アクセス:2020年2月20日)

INVOLVEは、1996年にイギリスの国立衛生研究所(the National Institute for Health Research)により設立され、医療保健福祉領域における市民参画を支援することを目的としています。

2018年2月に公開されたこのガイダンスでは、医療保健福祉領域の「研究」がテーマとされており、研究を共同創造していくうえで大切なこと、そのための方法、乗り越えるべき課題などが紹介されています。

たとえば冒頭には…
「研究を共同創造することは、研究者、臨床家、市民が、プロジェクトの初めから終わりまで(知見を生み出すというところまで含めて)、権限や責任を分かち合いながら力を合わせて取り組んでいくことである」
…と記されています。

大切な原則としては…
・権限を分かち合う
・あらゆる視点や技能を含みこむ
・共に働く仲間の知に、敬意を払い価値を置く-誰もが等しく大切である
・互恵性-共に働く仲間同士、誰もが互いに得るものがある
・関係を築き維持する-共通理解や合意を形成し、役割や責任を明確にすることが必要となる
…といった点が挙げられていました。

研究における共同創造を考え実践していくうえでの貴重な資料のひとつとして、ご紹介させていただきました。

東京大学 コプロダクション研究チーム 小川亮
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研究チームの印象に残ったこと・自由な感想

  • コプロダクションの資料は多数あるが、これは研究におけるコプロダクションを扱っている
  • 患者市民参画(Patient Public Involvement: PPI)研究と研究におけるコプロダクションの重なりを整理してみたい
  • Respecting and valuing the knowledge of all those working together on the research という考えが好き