リカバリーカレッジの理念と実践例(リカバリーカレッジガイダンス)公開しました

リカバリーカレッジの理念と実践例(リカバリーカレッジガイダンス)
の2019年3月版をウェブサイトにアップすることができました。
http://recoverycollege-research.jp/guidance/
↑ここからダウンロードできます。

この「理念と実践例」(ガイダンス)の作成の過程で、とても多くの皆さんにお世話になりました。本当にありがとうございました。
このガイダンスは、今後もアップデートしていきたいと考えております。
よろしければご覧頂き、御意見を上記ページにある「御意見記載欄」へご記載頂く、あるいは宮本まで直接ご連絡を頂戴できれば幸いです。


この「リカバリーカレッジの理念と実践例」は、これからリカバリーカレッジを作りたい、実践したい、運営したい、運営の仲間に加わりたい、という方たちの話し合いのきっかけになればと思い、ご紹介するものです。
このガイダンスは、今まですでに実践している人たちの知恵をご紹介するものであって、ルールや決まりではありません。
リカバリーカレッジは、それぞれの地域や文化の中で、さまざまな立場・属性の人たちの共同創造によって作られていきます。
このガイダンスが、リカバリーカレッジをはじめたい方たちだけではなく、リカバリーカレッジ以外の精神保健福祉サービスを利用している方、提供している方にも、なにかの参考になったり、共同創造や協働のきっかけになることがあれば大変うれしく思います。そして、日本の精神保健福祉サービス全体がリカバリー志向へと変革していくことに寄与できれば幸いです。

学会発表のご報告(20181215精神障害者リハビリテーション学会)

早稲田大学で行われた精神障害者リハビリテーション学会で、リカバリーカレッジに関する報告(口頭発表)をさせていただきました。

当日は、作成中のガイダンス案をご希望の方にお渡しし御意見をいただく機会ともさせていただきました。どうもありがとうございました。

演題名:「当事者を含めた多職種によるリカバリーカレッジ運用のための指針(ガイダンス)の開発」

【方法】
リカバリーカレッジに必要な要素と実践を把握するため、英国および日本で運用されているリカバリーカレッジの視察や聞き取りと各リカバリーカレッジで公開しているシラバスや年報、リカバリーカレッジに関する文献から情報収集した。これらの情報から、リカバリーカレッジの運用指針の枠組みと、示す内容の草案を作った。その草案を、リカバリーカレッジを既に運用している組織と、リカバリーカレッジを今後開設したいと考えている組織や個人に提示し、それらの妥当性と、加筆・修正が必要な点について助言を得た。

【結果・考察】
英国と日本での視察や聞き取り、英国のリカバリーカレッジに関する文献検討から、リカバリーカレッジで大切にしている理念があり、リカバリーカレッジの運用には、それらの理念の理解と、理念を体現するための実践の工夫が必要であることが抽出された。
(後略)

学会発表のご報告(20180324統合失調症学会)

徳島市で行われた統合失調症学会で、リカバリーカレッジに関連する報告(ポスター発表)をさせていただきました。

この発表は、リカバリーカレッジそのものというよりは、リカバリーカレッジでとても大切にしている理念である、コ・プロダクション(共同創造)について調べたものです。

演題名:「精神保健領域における共同創造(Co-production):文献レビュー」

方法:PubMedおよび医学中央雑誌(医中誌)を用いて論文を検索した。検索は、PubMedでは 「(mental OR psychiatr*) AND (coproduction OR co-production)」、医中誌では「精神 AND (共同創造 OR 共同制作 OR コプロダクション OR コ・プロダクション)」を検索語とし、登録日を1980年1月から2017年11月までとした。最終検索日は2017/11/24/であった。
文献の包含基準は、抄録のある原著論文であり、英文または和文で執筆されているもの、精神保健領域のサービス提供者や医療保健従事者と利用者・患者との共同創造を扱っているものであることとした。芸術療法等における創作活動を扱っているもの、教育者と学生の共同創造を扱っているもの、共同創造の相手に利用者・患者本人を含まず家族や介護者のみとしているものは除外した。プロトコル論文、認知症のみに焦点を絞った論文は除外した。

結果の抜粋:PubMedにおいてヒットした51件のうち抄録のある49件の論文を精査し、サービスの共同創造ではない、利用者・患者との共同創造ではない、精神保健サービスではない、認知症のみが対象のものなどを除外し11件の論文を採択した。レビュー対象として採択した合計11件の論文の内訳は、サービス利用者の精神保健ケアへの参加に関するメタ統合が1件、精神保健サービスの共同創造を評価する研究5件、共同創造された研修に対する評価研究2件、精神保健サービス評価のための尺度を共同創造で開発したもの2件、精神保健研究における質的データ解釈の共同創造1件であった。共同創造を通じ利用者としてのアイデンティティや専門性に対する見方の変化があった、など共同創造の影響を扱った研究、共同創造が起きるために必要な要素を扱った研究など、研究の焦点はさまざまであった。

学会発表の報告(統合失調症学会2017/3/24)

米子市で行われた統合失調症学会で、英国でのリカバリーカレッジの講座について2017年3月24日に報告(ポスター発表)させていただきました。

演題名:主体的参加によるリカバリー促進実践:英国リカバリーカレッジの提供する講座内容の分析

方法:インターネットや既存資料から確認できた英国のリカバリーカレッジ37校のうち、少なくとも1年以上運営されているリカバリーカレッジのシラバス(講座案内)を分析対象とした。2015年より前の開設であると確認できた14校の、公開されている最新のシラバスから講座内容を収集した。分校ごとに提供講座が異なり合計3つのシラバスがあるリカバリーカレッジが1校あったため、シラバスは合計16であった。これらのシラバスに記載されていた627の講座内容を質的記述的に分析した。

結果の抜粋:対象となったリカバリーカレッジは1校あたり17-101の講座を提供していた。どのリカバリーカレッジでも必ずあった講座は、(1)パーソナルリカバリーの概念に触れ、自身のリカバリーに取り組むもの、(2)症状や疾患についての知識を深めるもの、(3)マインドフルネスや瞑想の講座であった。ほとんどの講座は精神健康に困難を有する人とその家族や友人、サービス提供職員を対象としていたが、内容によって、「精神健康に困難を有する人」や「家族や友人」に対象を絞った講座もあった。どのカレッジもバラエティに富んだ独創的な講座を提供しており、また、他組織との連携講座を有するなど、カレッジの特色もそれそれであった。