米子市で行われた統合失調症学会で、英国でのリカバリーカレッジの講座について2017年3月24日に報告(ポスター発表)させていただきました。
演題名:主体的参加によるリカバリー促進実践:英国リカバリーカレッジの提供する講座内容の分析
方法:インターネットや既存資料から確認できた英国のリカバリーカレッジ37校のうち、少なくとも1年以上運営されているリカバリーカレッジのシラバス(講座案内)を分析対象とした。2015年より前の開設であると確認できた14校の、公開されている最新のシラバスから講座内容を収集した。分校ごとに提供講座が異なり合計3つのシラバスがあるリカバリーカレッジが1校あったため、シラバスは合計16であった。これらのシラバスに記載されていた627の講座内容を質的記述的に分析した。
結果の抜粋:対象となったリカバリーカレッジは1校あたり17-101の講座を提供していた。どのリカバリーカレッジでも必ずあった講座は、(1)パーソナルリカバリーの概念に触れ、自身のリカバリーに取り組むもの、(2)症状や疾患についての知識を深めるもの、(3)マインドフルネスや瞑想の講座であった。ほとんどの講座は精神健康に困難を有する人とその家族や友人、サービス提供職員を対象としていたが、内容によって、「精神健康に困難を有する人」や「家族や友人」に対象を絞った講座もあった。どのカレッジもバラエティに富んだ独創的な講座を提供しており、また、他組織との連携講座を有するなど、カレッジの特色もそれそれであった。