共同創造 Co-production 資料02: 「人々や組織にとって、どんなよいことがあるのか」

共同創造;人々や組織にとって、どんなよいことがあるのか
https://www.tnlcommunityfund.org.uk/insights/co-production
(アクセス:2020年1月15日)

The National Lottery Community Fund(英国の国営宝くじの収入により運営されている基金)のウェブサイトより(意訳)
※なお、訳については、 原文のままというよりは、読んでぱっとイメージが湧くように、文意を汲んでかなり大胆に意訳した箇所も多いですので、正確なニュアンスについては原文をご参照いただければ幸いです。

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共同創造についての知恵や教訓
◇共同創造は大変、でも、それだけの価値がある
・時間がかかるしお金もかかる
単に現実的なこと(全員の予定が合う日はずいぶん先になってしまう…といったような)だけではなくて、
共同創造に関わるひとたちの間の信頼関係を築くことにこそ、なによりも時間がかかる。

・お金や時間だけのことでもない
共同創造にふさわしい心構えで臨むことこそが、なにより大事
確立された「今までやり方」の枠を飛び出していくこともありうる、というような

◇共同創造すると…それぞれの立場のひとたちに、それぞれよいことがある
・何らかの困難の経験を持つ人(精神的不調、等々)が、共同創造に「参加する」と…
自分で自分の価値を認められるようになったり、自分を信頼できるようになったりするかもしれない
さまざまな技能や経験を手にすることもできる
ピアのネットワークや支援からも多くのものを得ることができる
新たな「使命感」や「目的意識」を得ることだってある

・サービスを運営するスタッフについては…
共同創造は、スタッフのやる気を高めうる
仕事への情熱に再び火を灯すことだってある

・サービス自体は、共同創造によって…
各々の利用者によりぴったりフィットしたもの、アクセスしやすいものになる
ともすればお堅い感じになってしまうサービスが、より人間味豊かなものになる

◇どうすれば共同創造をうまくすすめられるのだろうか
「うまくいく共同創造」といったような、あらかじめつくられた「青写真」はない
それは常に現在進行形のプロセスである
つまり、常にわが身を省みながら取り組み続ける必要がある

心に留めておくべき重要なこと:
・共同創造は、どんな状況で行うか、誰と一緒に行うかによって、まったく違ったものになる、ということを理解しておく
・新たなアイデアに心を開く
力や責任を分かち合う心づもりをしておく
「自分と違う意見が出る」ことを喜んで受け入れる(あるいはまた、自ら進んで「違う意見を出す」)
・なにが期待できるか、どこまでが限界なのかについて、正直かつ率直でいる
・プロジェクトのすみからすみまでに、共同創造の精神を深く植えつける
共同創造をうまくやっていくのは「全員の役割」だと確かめておく
・ずっと同じ人だけに頼らないようにする、顔ぶれを新鮮に保ち、新たな声を歓迎する
・共同創造は1回限り/その場限りのものではない、と心しておく
プロジェクトの進行とともに進化していくし、進みながら、間違え、学び、改善していく、そのための心の準備をしておく
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訳:東京大学 コプロダクション研究チーム 小川亮
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研究チームの印象に残ったこと・自由な感想

  • 「共同創造は大変、でも、それだけの価値がある」、それを疲れたときとかに思い出したい。
  • 「自分と違う意見を喜んで受け入れる」大事だけどなかなか思えない時もあるかも。だからこそ思い出すことが大切。
  • ずっと同じ人だけに頼らないようにする、というのは、自分は長くなってしまったら長く居座ってしまってはいけないかな、って思っちゃうかもしれない。
    多様な考えを確保するために、顔ぶれを入れ替えたり、というのを患者市民参画の考え方で読んだ。そういう意図もあるかも。
  • 「間違え、学び、改善していく、そのための心の準備を」 できなくて当然という覚悟でやっていて、はじめて違いも祝福できるかも。