しばらく前から引き続き、アイルランドのHealth Service Executive(HSE)が出している資料の「Co-Production in Practice Guidance Document: 2018 – 2020 (共同創造の実践のガイダンス)」の部分のご紹介です。
https://www.hse.ie/eng/services/list/4/mental-health-services/advancingrecoveryireland/national-framework-for-recovery-in-mental-health/co-production-in-practice-guidance-document-2018-to-2020.pdf
この資料の付録2(p.22-23)として、コプロダクション(共同創造)のチェックリストがついています。
全ての問いに、はい、いいえ、でチェックする形式です。
(このチェックリストは、おそらくリカバリーカレッジでの共同創造を念頭に置いていると思われます。
いくつか抜粋してご紹介しますと
準備:共同創造の前に
ファシリテーター・関係者間で葛藤や、効果的な共同創造を妨げるような何かがあるか?
ファシリテーター・関係者に共同創造活動をするために準備するのに十分な時間があるか?
ファシリテーター・関係者に専門職などの上下関係があるか?
ファシリテーター・関係者は対等に共に活動したいと思っているか?
ファシリテーター・関係者はピアサポートワーカーとかリカバリーカレッジといった新しいリカバリーの考え方や役割、共同創造の重要性を受け入れたいと思っているか?
この共同創造の活動はどの人にとってもアクセスしやすい地で起きるだろうか?(たとえば地方でも?)
支援職のファシリテーターはこの共同創造活動に関わることを上司からサポートしてもらえるか?
ファシリテーター・関係者は、ファシリテーションや共同創造に関する適切なトレーニングを受けたか?
ファシリテーター・関係者は、どんな風に共同創造をできるかについての計画を立てたか?
提供:共同創造のさなかに気にとめること
ファシリテーター・関係者は、そのプログラムについての準備ができているだろうか?
(講座の時)参加者の到着時や休憩時に茶菓があるか?
など項目が続いています。
評価:ファシリテーター・関係者が資料・題材の共同創造や共同提供をどのようにできたか
その共同創造活動を計画通りにできたか?
ファシリテーター・関係者へのサポートはあるか?(カウンセリングや振り返りなど?)
ほか
正直なところ、これは共同創造のチェックリストとして必要だろうか??チェックしてnoだった場合にはどうするのだろう?どうしたらよいのだろう?と思う項目もありましたが、共同創造をどのようにしていけるか、共同創造をしていくために必要な工夫を考えるためにも、現状を知る、お互いの見え方を知るということは重要だなと感じました。こういったチェックリストを、共に共同創造に関わる人達で一緒につけてみるということもよいなと思いました。
東京大学 コプロダクション研究チーム 宮本有紀