日本のリカバリーカレッジ(2026年6月時点)

日本のリカバリーカレッジが全国に増えています!というわけで、時折勝手に宮本調べデータを記事にさせていただいております。

2022年10月時点のリストや、2024年8月時点のリストもご覧いただいているようなので、あくまでも、私の知っている範囲で、公開されているウェブサイトやフェイスブックページなどのリンクと共にあげさせていただきます。(2026年6月)

  • ここに載っていないリカバリーカレッジもあると思います。リカバリーカレッジの認定機関があるわけではありません。
  • リカバリーカレッジと名乗っていなくても、共同創造によって運営されていて、誰でも参加できる学び合いの場の実践をされているところもたくさんあります。
  • 現在活動をお休みしているところもあるようです。(2026年6月時点では開講が確認できなくても、閉校したと聞いたわけではない場合には、掲載させていただいております)
  • カレッジによって、第一回講座をしました、とか、オープン、など表現が異なるのを宮本が勝手に「開校」と表現してしまっております。便宜上、講座の開催を「開校」とさせていただきましたが、どのカレッジも準備などの活動をもっと前からされています。
  • ここで掲載しているリカバリーカレッジは医療・福祉ではないものを挙げております。デイケアや福祉サービスの中で「リカバリーカレッジ講座」をされている組織もたくさんあるのですが障害のある人だけを参加対象とされているものはここには掲載しておりません。
  • 関係者に個別にご連絡をできるカレッジも多いのですが、今回は、個別の問い合わせなどはせず、誰でもたどりつける情報をコンセプトに、あくまでも公開情報からわかることだけ掲載させていただきました。
  • 準備中のカレッジは、リカバリーカレッジの活動として公開されている情報やウェブページ等がある場合に記載させていただきました。
  • 情報は、宮本調べで、間違いもあるかもしれません。間違いなどに気づかれましたらぜひ教えてください。

リカバリーカレッジ (東京都三鷹市) 2013年開校
https://sudachikai.eco.to/pia/index.html 2026年講座あり

リカバリーカレッジたちかわ (東京都立川市) 2015年開校
http://recoverycollege.jp/tachikawa/  2024年の講座以降はお休み中?

リカバリーカレッジ名古屋 (愛知県名古屋市) 2018年開校
https://recoverycollege-nagoya.com/ 2026年講座あり

リカバリーカレッジみまさか (岡山県美作市) 2019年開校
https://www.facebook.com/recovery.college.mimasaka/ 2020年以降はお休み中?

リカバリーカレッジOKAYAMA (岡山県岡山市) 2019年開校
https://rcokayama.jp/ 2023年以降はお休み中?

リカバリーカレッジSAGA (佐賀県佐賀市) 2019年開校
https://m.facebook.com/profile.php?id=100068255426060 2026年講座あり

リカバリーカレッジあんなか (群馬県安中市) 2019年開校
https://www.facebook.com/recoverycollege.annaka/ 2026年講座あり

リカバリーカレッジおおた (東京都大田区) 2020年開校
https://sites.google.com/edu.teu.ac.jp/recoveryota 2026年講座あり

リカバリーカレッジねやがわ (大阪府寝屋川市) 2021年開校
https://rcneyagawa.blog.fc2.com/
(2021年に講座あり。以降新しいページがあるのか?わからず)

リカバリーカレッジふくおか (福岡県福岡市) 2021年開校
https://lilyfukuoka.jp/ac/rcf 2026年講座あり

リカバリーカレッジKOBE (兵庫県神戸市) 2022年開校
https://rcchauchaukobe.jimdofree.com/ 2026年講座あり(講座情報はフェイスブック?↓)
https://www.facebook.com/people/リカバリーカレッジ-KOBE/100092369650693/

リカバリーカレッジ高知 (高知県高知市) 2022年開校
https://rc-kochi.online/ 2025年に講座あり

リカバリーカレッジ炭都(福岡県筑豊地域) 2022年開校
facebook: りかばりー・かれっじ炭都(tanto in 筑豊&オンライン  2024年に講座あり

ディスカバリーカレッジmii (宮城県仙台市) 2023年開校
facebook: ディスカバリーカレッジmii 2025年に講座あり

リカバリーカレッジ多摩(東京都多摩市) 2024年開校(プレ講座2023年)
https://plaza-de-en.com/rc.tama/ 2026年講座あり

リカバリーカレッジぐんま(群馬県 高崎市・前橋市・玉村町を中心に) 2024年開校
https://rcgunma.com/ 2026年講座あり

リカバリーカレッジ千葉(千葉県 佐倉・茂原・市原・千葉)2024年開校
https://shimin2023.wixsite.com/chiiki 2026年講座あり

リカバリーカレッジ ポリフォニー(東京都東久留米市)
生活訓練事業所として2018年に開所。生活訓練事業所のプログラムと以外に誰でも参加できるオープンカレッジを開催
https://rcpolyphony.webnode.jp/ 2026年講座あり

リカバリーカレッジところざわ 2024年頃から?
https://x.com/recovery_toko
https://es-pyt.amebaownd.com/ 公式サイトわからず

リカバリーカレッジヨコスカ 2025開校
https://akari-yokosuka.com/recovery-college-yokosuka/ 2026講座あり

リカバリーカレッジよこはま(神奈川県横浜市) 2025年プレ講座開催
https://rc-yokohama.com/ 2026年講座あり

リカバリーカレッジおいでまいさぬき(香川県) 2026年開校?
https://www.instagram.com/p/DTOpY8FEg4T/https://rckagawa.jimdosite.com/

リカバリーカレッジ Osaka(大阪府)2025開校?
https://sites.google.com/view/recoverycollege-osaka/ 2025年講座あり

リカバリーカレッジHARIMA(兵庫?) 2025開校?
https://note.com/recovery_harima/
https://kiki-fun.com/blog?wg%5Bwgc-1684378643036_cate%5D=7 公式サイトわからず

リカバリーカレッジ岐阜(オリーブの木?) 2025開校
https://olive-trees.work/

リカバリーカレッジうつくしま(福島)2025開校
https://rc-utsukushima.com/

リカバリーカレッジ長崎 2026開校?
NPO法人長崎のぞみ会 リカバリーカレッジ リカバリーカレッジ専用のサイトがあるかはわからず

リカバリーカレッジせぴあ(下関) 2026開校?
リカバリーカレッジ せぴあ

このほかに、「チビカレ」で活動している方々を個人的には知っているのですが公開されている情報を見つけられずでした。また、茨城のリカバリーカレッジいばらきも開校準備中と聞いています。
活動形態(頻度や開催方法)もさまざまで、正確な把握は困難ですが、少なくとも20以上のリカバリーカレッジが日本で活動をしているという状況と言えると思います。

どなたにもご迷惑がかかりませんように。と思いつつ、リカバリーカレッジにご関心のある方達がつながれると良いなと思い、今回も、自分で検索して見つけることのできた(つまり誰でもアクセス可能な)公開情報のみを記載させていただきました。カレッジの存在としては公開されているけれど、講座内容や講座の申し込みは公開されていないところも多かった印象です。また、存在をネット上では公開せずに近隣の方達と活動されている方達もいらっしゃると思います。みなさま今後ともよろしくお願いいたします。
東京大学コプロダクション&リカバリーカレッジ研究チーム 宮本有紀

共同創造Co-production資料38 精神健康に関する言葉

さまざまな経験をもつ人たちとお話しするときに、これまで医学の領域で使われていたような言葉(病識がない、とか、統合失調症患者、とか)は、何かとても失礼な言葉だったのではないか?と思うようになり、そして、医療者の視点から使っていた言葉でこれまで思考し、行動してきてしまったのではないか?と気づき始めました。

“ケアとサポートで私たちが使う言葉は、態度を形成し、行動に影響を与え、人生に影響を与える。” (Think Local Act Personal. Language.)

Language

ということで、Think Local Act Personalにケアやサポートの領域における言葉「Language」に関する資料がいくつもアップされていました。

そしてその中に、「精神健康に関する言葉」ということで、ケアや支援を利用する人とその領域で働いている人とで作られたガイド(ページ)が掲載されていましたのでご紹介です。

Communicating about mental health

たとえば

Mental health challenges

This is our preferred term for communicating about mental health conditions. We think ‘challenges’ focuses less on something being ‘wrong’ with a person, and more on the difficulties people face with their mental health due to things that have happened to them or are happening around them, and also difficulties with getting support that works for them.

(日本語に勝手に訳してみると↓)

メンタルヘルスの課題(チャレンジ)
これは、私たちが精神健康上の状態について伝える際に好んで使う言葉です。 私たちは、”課題 (チャレンジ)”という言葉は、その人の何かが “悪い “ということよりも、その人の身の回りで起きたことや起こっていること、またその人に合ったサポートを受けることの難しさによって、その人が精神的な健康に直面する難しさに焦点を当てたものだと考えています。

というような解説があります。

 

これは英語の言葉についてのガイドなのですが、これを日本語に訳すというよりも、日本の人にとっての好ましい日本語の言葉を考えることが重要なのだろうと思います。また、言葉は、時代と共に変わっていくものですのでどの言語だったとしても、継続的なアップデートは必要なのでしょう。
私自身は、臨床実践や、講義や研究をする中で、これまで、失礼な表現や、言われた人が傷つくような言葉をたくさん使ってきてしまったと思っています。そのことを考えるだけで申し訳ない思いになりますし、自分に対しても悲しくなります。しかし、今後誰かを傷つけることを恐れて何も言わないのではなく、なんという表現が良いか、共同創造の中で確認しながら、そしてお互いに勇気をもって思ったことを差し出し合える、そんな関係を築いて進めていけたらと感じています。

東京大学コプロダクション研究チーム 宮本有紀

共同創造Co-production資料37 障害をもつ人との共同創造研究のガイドライン

資料36で紹介した、共同創造研究を行う際の倫理のガイドラインを見ていて、ニューサウスウェールズ大学(the University of New South Wales: UNSW)のDisability Innovation Institute (障害イノベーションセンター)からほかのガイドラインも出されていることがわかりました。

DOING RESEARCH INCLUSIVELY: Guidelines for Co-Producing Research with People with Disability (「誰もが参加できる研究をする:障害をもつ人と研究を共同創造するにあたってのガイドライン」←宮本の意訳)です。

Strnadová, I., Dowse, L., & Watfern, C. (2020). Doing Research Inclusively: Guidelines for Co-Producing Research with People with Disability. DIIU UNSW Sydney.  https://apo.org.au/node/310904

このガイドラインは、UNSWや他の学術研究者、障害当事者、障害関連組織やその他の関係者のために作成され、研究の共同創造を行うために、研究に誰でも参加できるようにと2019年に行われた障害に関する共同創造のワークショップに参加した人々から出てきた内容をまとめたものであると記載されています。

この文書では、共同創造から得られるもの、共同創造の原則、共同創造の方法が記載されています。

特に共同創造による研究を行う際の方法(strategy)に紙面が割かれています。

 

共同創造研究をするにあたり、誰がチームにいると良いか?共同創造をする共同研究者への謝礼はどうするか?会議の頻度や場所や進行、議事録管理、研究技術に関する研修、倫理申請、決定権の共有、チームメンバーへのサポート、どんな風にチームに関わり続けてもらうか、チームの安全を保つにはどうするか、その共同創造研究による効果をどのように評価するか、などが記載されていました。自分には考慮できていなかったことがたくさんあり、とても参考になりました。
東京大学コプロダクション研究チーム 宮本有紀

共同創造Co-production資料36 共同創造研究での倫理

共同創造というとリカバリーカレッジでの実践がすぐに思い浮かぶのですが、医療やケアの実践だけでなく、研究でも共同創造が大事だと言われるようになっています。

そんな中、「誰もが参加できる研究をする:共同創造を行う際の倫理のガイダンス」(かなりの意訳です。原題は「Doing Research Inclusively: Guidance on Ethical Issues in Co-production」)という、共同創造による研究を倫理的に行うためのガイドラインを見つけました。

Strnadová, I., Dowse, L., Garcia-Lee, B., Hayes, S., Tso, M., & Leach Scully, J. (2024). Doing Research Inclusively: Guidance on Ethical Issues in Co-Production. Disability Innovation Institute, UNSW Sydney. https://www.disabilityinnovation.unsw.edu.au/inclusive-research/guidelines

これは、オーストラリアのUniversity of New South Wales (UNSW)という大学のDisability Innovation Institute(障がいイノベーション研究所)という、2017年に設立されたセンターから公開されているものです。

共同創造研究が大事、市民共同参画の研究が大事、と言われていますが、いわゆる「研究者」と名乗ってきたわけではない人たち(患者、利用者、家族など)も研究に関わるということは、これまで医学研究の倫理等を考える際に想定されてきておらず、これまでの研究計画や倫理申請での「当たり前」とは異なる視点が必要とされています。このガイダンス文書は、共同創造研究を行う研究者が、研究計画を考えたりその研究の倫理申請をしたり、そのような研究の倫理的側面を審査する研究倫理委員会が理解を共有するために作られたそうです。

この文書には、研究者や倫理委員向けのPDF版と、情報を簡潔にわかりやすく書いたEasy Read版があります。

PDF版には、障害領域での研究における共同創造での倫理に関する重要点として、

  • 共同創造は誠実性を高める(CO-PRODUCTION ENHANCES INTEGRITY)
  • 申請過程に(共同創造研究者が)アクセスできない(INACCESSIBLE APPLICATION PROCESSES)
  • 申請過程における害(HARM IN THE APPLICATION PROCESS)
  • 共同創造についての誤った思い込み(COUNTERPRODUCTIVE ASSUMPTIONS)
  • 矛盾する倫理原則(CONFLICTING ETHICAL PRINCIPLES)
  • 倫理審査の過程に不慣れ(UNFAMILIARITY WITH THE PROCESS)
  • 経験と動機のばらつき(VARIABILITY IN EXPERIENCE AND MOTIVATION)
  • 対立ではなく学ぶ(EDUCATION RATHER THAN CONFRONTATION)

についてあげられています。また、この文書では特に以下の項目それぞれについて留意点、研究者として考えること、倫理委員会として考えることが記載されていました。

  • 共同創造での関係性(Relationships in Co-Production)
  • 共同創造の過程(Processes of Co-Production )
  • 共同創造における役割(Roles in Co-Production)
  • 共同創造で得られるものと危険(Benefit and Risk in Co-Production)
  • 共同創造における脆弱性と能力(Vulnerability and Capacity in Co-Production)
  • 共同創造の質(Quality in Co-Production)
  • 倫理的な共同創造によってよりよい実践を(Building Better Practice in Ethical Co-Production)

 

共同創造について、英国の資料を目にする機会が多いのですが、オーストラリアからもこのように資料が出されていて、それらが誰にでも読める形で公開されていることに、感謝を覚えますし、インターネットやAI翻訳などの普及で、伝達もされやすくなっているだろうと感じました。
もちろん、共同創造は参加する人によって異なるはずですし、文化が異なればもちろん共同創造のありかたも違うだろうとは思いますので、イギリスやオーストラリアのものも、ただそのまま日本に持ち込むというよりは日本での参加者の方たちと話し合っていくことが重要であるとは思います。
東京大学コプロダクション研究チーム 宮本有紀

 

 

共同創造Co-production資料35 Co-production collective(共同創造に関する組織)

共同創造について調べたい時に、「co-production」という言葉でインターネットを検索するとさくさんの情報がヒットします。(正直なところ、読みたい情報が多すぎて、もうなかなか間に合わないのですが)

今回は
Co-Production Collective https://www.coproductioncollective.co.uk/
という集まり(組織?)についてのメモです。

Co-Production Collectiveという組織は、元は、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(University College London = UCL)という大学のメンバーも設立にかかわっているようです。現在はUCLの、Co-Production and Public Engagement at UCL https://www.ucl.ac.uk/public-engagement/ の一部になっているようです。2017年にできたようで、「医療の研究、革新、実践における共同創造をサポートするセンター」を共同設立しようと集まったとのことで元はUCLコプロダクションセンターという呼び名だったそうです。

この集まりには、なんらかの当事者としての経験がある人、市民、研究者、その他共同創造が実践されている職場で働いている人などが参加しているそうで、自分達に支払われる謝金や方針なども共同創造で決めているとのことです。

資料の掲載 https://www.coproductioncollective.co.uk/championing-co-production/resource-library や、一緒に共同創造しましょう!という募集などさまざまな情報があります。

 

この組織の活動を補佐しているチーム(事務局的な?)や相談に乗ってくれるチーム(さまざまな経験のバックグラウンドのある人々)などについても、写真付きで公開されていて(おそらく載せて良い人だけですが)、そこに人間がいることを感じることができました。また、こういった活動をしていくためにもつながり方や役割がいろいろあることや、誰かがどこかで決めているということではなく、そこに参加している人が見える、ということにも意味がありそうだなと感じました。
日本でもこんなことができたらいいな、しかも、いろいろなところで(誰もがアクセスしやすい各地に)できたらいいな、と思ったりしています。
東京大学コプロダクション研究チーム 宮本有紀

 

共同創造とImROCとリカバリーカレッジ関係者の研修会

ImROC(イムロック)という組織がイギリスにあります。

https://www.imroc.org/

リカバリーカレッジのことを知りたいと思い、2015年(もう10年たってしまった、、、)に初めてイギリスのリカバリーカレッジに訪問させていただいたのですが、その際にImROCにも伺わせていただきました。ImROCの関係者の方々がとても熱意をもって共同創造の大切さ、リカバリーカレッジの面白さを話してくださったのが印象的でした。

ImROCの名前は、Implementing Recovery through Organizational Change (組織変革をしてリカバリー実践を)とお聞きして、その名前にも感動したのですが、現在はこのウェブサイト https://www.imroc.org/ を見ても名前の由来などは特に記載していないようです。

このImROCでは、リカバリーに関係する資料を多数公開してくれており、https://www.imroc.org/publications 参考になるものばかりです。

また、ImROCでは、リカバリーカレッジの質を高めるための支援を英国内外へ行っていて、2024年夏にはリカバリーカレッジふくおかの関係の皆様でImROCのコンサルタントを招へいし、リカバリーカレッジを運営する人々のためのワークショップを開催してくださいました。 https://lilyfukuoka.jp/a/451

台風がちょうどやってきて、時間を短縮したりせざるを得ない状況となりましたが、リカバリーカレッジについて各地のカレッジ関係者の皆さんと皆でさらに学ぶことができました。本当にありがとうございました。

(ちなみに、2019年8月にもリカバリーカレッジに関する研修会があり、イギリスから講師にいらしていただいていました。)

このような研修会を開催してくださる皆様、本当にありがとうございます。

日本のリカバリーカレッジ(2024年8月時点)

共同創造の実践例としていつもご紹介させていただくリカバリーカレッジ。
日本でリカバリーカレッジの理念(共同創造で運営されていて、誰でも参加できる、学びの場)に基づいて活動しているとお聞きしているカレッジの一覧を作りたいと思いつつ、全部を網羅はできていないのでかえってご迷惑をおかけしちゃうかな、と思い掲載を迷っておりましたが、以前掲載した、2022年10月時点のリストも参考になった、と言っていただいたこと、また、その後もオープンしているとお聞きしているので、私の知っている範囲で、公開されているウェブサイトやフェイスブックページなどのリンクと共にあげさせていただきます。(2024年8月)

    • ここに載っていないリカバリーカレッジもあると思います。リカバリーカレッジの認定機関があるわけではありません。
    • リカバリーカレッジと名乗っていなくても、共同創造によって運営されていて、誰でも参加できる学び合いの場の実践をされているところもたくさんあります。
    • 現在活動をお休みしているところもあるようです。(2022年10月のリストに挙げていたカレッジで2024年8月時点では開講されていなくても、閉校したとお聞きしたわけではない場合には、掲載させていただいております)
    • カレッジによって、第一回講座をしました、とか、オープン、など表現が異なるのを宮本が勝手に「開校」と表現してしまっております。便宜上、講座の開催を「開校」とさせていただきましたが、どのカレッジも準備などの活動をもっと前からされています。
    • ここで掲載しているリカバリーカレッジは医療・福祉ではないものを挙げております。デイケアや福祉サービスの中で「リカバリーカレッジ講座」をされている組織もたくさんあるのですが障害のある人だけが対象となってしまうものはここには掲載しておりません。
    • どのカレッジの方ともご連絡が取れるのですが、今回は、個別の問い合わせなどはせず、あくまでも公開情報からわかることだけ掲載させていただきました。
    • 準備中のカレッジは、リカバリーカレッジの活動として公開されている情報やウェブページ等がある場合に記載させていただきました。
    • 情報は、宮本調べで、間違いもあるかもしれません。間違いなどに気づかれましたらぜひ教えてください。

リカバリーカレッジ (東京都三鷹市) 2013年開校
https://sudachikai.eco.to/pia/index.html

リカバリーカレッジたちかわ (東京都立川市) 2015年開校
http://recoverycollege.jp/tachikawa/

リカバリーカレッジ名古屋 (愛知県名古屋市) 2018年開校
https://recoverycollege-nagoya.com/

リカバリーカレッジみまさか (岡山県美作市) 2019年開校
https://www.facebook.com/recovery.college.mimasaka/

リカバリーカレッジOKAYAMA (岡山県岡山市) 2019年開校
https://rcokayama.jp/

リカバリーカレッジSAGA (佐賀県佐賀市) 2019年開校
https://m.facebook.com/profile.php?id=100068255426060

リカバリーカレッジあんなか (群馬県安中市) 2019年開校
https://www.facebook.com/recoverycollege.annaka/

リカバリーカレッジおおた (東京都大田区) 2020年開校
https://sites.google.com/edu.teu.ac.jp/recoveryota

リカバリーカレッジねやがわ (大阪府寝屋川市) 2021年開校
https://rcneyagawa.blog.fc2.com/
(新しいページがあるのか?わからず)

リカバリーカレッジふくおか (福岡県福岡市) 2021年開校
https://lilyfukuoka.jp/ac/rcf

リカバリーカレッジKOBE (兵庫県神戸市) 2022年開校
https://rcchauchaukobe.jimdofree.com/

リカバリーカレッジ高知 (高知県高知市) 2022年開校
https://linktr.ee/rc_kochi

リカバリーカレッジ炭都(福岡県筑豊地域) 2022年開校
https://www.recoverycollegetanto.com/

ディスカバリーカレッジmii (宮城県仙台市) 2023年開校
https://www.facebook.com/people/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B8mii/61556610832682/

リカバリーカレッジ多摩(東京都多摩市) 2024年開校(プレ講座2023年)
https://plaza-de-en.com/rc.tama/

リカバリーカレッジぐんま(群馬県 高崎市・前橋市・玉村町を中心に) 2024年開校
https://rcgunma.com/

リカバリーカレッジ千葉(千葉県 佐倉・茂原・市原・千葉)2024年開校
https://shimin2023.wixsite.com/chiiki

リカバリーカレッジ ポリフォニー(東京都東久留米市)
生活訓練事業所として2018年に開所。生活訓練事業所のプログラムと以外に誰でも参加できるオープンカレッジを開催
https://rcpolyphony.webnode.jp/

リカバリーカレッジよこはま(神奈川県横浜市) 今後開校予定
https://rc-yokohama.com/

リカバリーカレッジおいでまいさぬき(香川県) 今後開校予定
https://rckagawa.jimdosite.com/

リカバリーカレッジosaka(大阪府 オンライン?)準備中
https://recoverycollegeosaka.amebaownd.com/

リカバリーカレッジHARIMA 準備中
https://note.com/recovery_harima/

リカバリーカレッジ岐阜 準備中
https://olive-trees.work/%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B8%E3%82%92%E5%B2%90%E9%98%9C%E3%81%AB%E4%BD%9C%E3%82%8B%EF%BC%81/

どなたにもご迷惑がかかりませんように。と思いつつ、リカバリーカレッジにご関心のある方達がつながれると良いなと思い、公開されている情報を記載させていただきました。公開せずに近隣の方達と活動されている方達もいらっしゃると思います。みなさま今後ともよろしくお願いいたします。
東京大学コプロダクション&リカバリーカレッジ研究チーム 宮本有紀

共同創造Co-production資料28 その状態の実体験を持つ人と専門職者との共同研究

共同創造は、さまざまな領域のさまざまな内容について実践することが可能であり、そして実際に取り組まれていることと思います。
保健医療福祉領域の研究についても、これまでは研究者・医療者が研究をする者、医療を提供する者の立場で実施し、発表されることがほとんどでしたが、最近では患者・利用者の方々が自身の声を保健医療福祉の学会等で発表されたり発信されることも増えています。
それに加え、近年では、少なくとも保健医療領域では、研究への市民患者参画が求められるようになってきており、研究を共同創造で行われることも増えてきました。

ここでは、World Psychiatryという精神医学領域の学術誌に掲載されている、その疾患状況を経験した人(患者としての体験のある人)と学術関係者(研究者)によって執筆された論文をご紹介させていただきます。

Fusar-Poli, P., Estradé, A., Stanghellini, G., Esposito, C.M., Rosfort, R., Mancini, M., Norman, P., Cullen, J., Adesina, M., Jimenez, G.B., da Cunha Lewin, C., Drah, E.A., Julien, M., Lamba, M., Mutura, E.M., Prawira, B., Sugianto, A., Teressa, J., White, L.A., Damiani, S., Vasconcelos, C., Bonoldi, I., Politi, P., Vieta, E., Radden, J., Fuchs, T., Ratcliffe, M. and Maj, M. (2023), The lived experience of depression: a bottom-up review co-written by experts by experience and academics. World Psychiatry, 22: 352-365. https://doi.org/10.1002/wps.21111
(実体験としてのうつ(うつの生きられた経験):経験による専門家と学者が共同で執筆したボトムアップレビュー)

Fusar-Poli, P., Estradé, A., Stanghellini, G., Venables, J., Onwumere, J., Messas, G., Gilardi, L., Nelson, B., Patel, V., Bonoldi, I., Aragona, M., Cabrera, A., Rico, J., Hoque, A., Otaiku, J., Hunter, N., Tamelini, M.G., Maschião, L.F., Puchivailo, M.C., Piedade, V.L., Kéri, P., Kpodo, L., Sunkel, C., Bao, J., Shiers, D., Kuipers, E., Arango, C. and Maj, M. (2022), The lived experience of psychosis: a bottom-up review co-written by experts by experience and academics. World Psychiatry, 21: 168-188. https://doi.org/10.1002/wps.20959
(実体験としてのサイコーシス(サイコーシスの生きられた体験):経験による専門家と学者が共同で執筆したボトムアップレビュー)

上記研究は、それぞれうつについてとサイコーシス(精神病様体験)について、実際に自身の生活の中でその状態を生きた方たちやその家族、学者でさまざまな年齢層、性別、文化的背景をもつ人々が参加して執筆されました。(最初の3人の著者が同じなので同じ文献のように見えてしまうかもしれませんが、別々の論文です)

たとえば、うつの体験についての研究では、患者利用者経験のある人、その家族、学者などにより構成された研究チームで、うつ状態について自身の言葉で語っている質的研究を集め、そこで記載されている内容からうつ状態の主観的世界、社会的・文化的文脈の中でのうつ状態の経験、うつからの回復の経験に分類されました。
その後、上記により分類された内容を、この研究チームに属していないより広い患者・家族ネットワークに見てもらい、特に中低所得国や性的、社会的マイノリティの方たちも含まれるようにしながら、フィードバックを得てさらに豊かな内容になりました。そして、それらをグーグルドライブで共有しながら多くの参加を得て共同執筆された論文で、執筆に参加された方々は共著者となっています。

このように、保健医療の領域で、患者や市民と共に研究をする取り組みは増えています。日本でも、たとえば国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)という研究開発と研究環境整備の組織から助成を受けた研究事業で患者市民参画(PPI)に取り組んだ事例を紹介したりしています。
https://www.amed.go.jp/ppi/ppipractice.html

 

従来は、医療者や学者が疾患や症状について解説をした文章が教科書となり、医療者への教育に使われてきたと思います。もちろん、医療者から見える状態像が記載されており、それが間違いであるわけではありませんが、この論文のように実体験をした本人たちの語りがまとめられること、そして、その実体験のある人たちが執筆の過程に参加することにより、そのまとめ方や表現のされ方が医療者・学者視点に偏ることなく記載され、その状態を経験している人にとって大切なことが発信されやすくなるということで、とても意義のあることだと思いました。
東京大学コプロダクション研究チーム 宮本有紀

共同創造Co-production資料26 その3: 精神保健領域で共同創造の原則を実践する

前々回前回に引き続き、Roper, Grey, Cadoganによる、Co-production: putting principles into practice in mental health contexts(共同創造の原則を精神保健領域での実践に取り入れる)
https://healthsciences.unimelb.edu.au/departments/nursing/about-us/centre-for-psychiatric-nursing/news-and-events/test
冊子のPDFはこちら
についてです。
Roper C, Grey F, Cadogan E. Co-production – Putting principles into practice in mental health contexts. 2018.

この冊子では、パワーについてたくさん書かれていて、パワーについて気づくことがテーマとなっていると拝読しました。その中でも今回ご紹介したいのは、どのようにパワーの不均衡に対応するかというところです。

パワー(力)の不均衡への対処

「コプロダクションでは、権力や力(パワー)の問題に意識して注意を払い、そこにパワーの違いがあることがわかったら、パワーの弱い人へとパワーをシフトさせるような行動を取るべきである」と記載されていて、そのやり方の例としていくつもの例が上がっていました。その中から抜粋すると:

  • 当事者がプロジェクトを主導できるよう支援し、資源を提供する。
  • 当事者がミーティングの議題を決め、特定の議題や活動に費やす時間を決める。
  • その取り組みの過半数が当事者であることを確認する
  • ガバナンス(管理等)をする当事者運営グループを設立する。
  • 会議の開始時に、サービス・システム(医療やその他の制度)に関わる際に力の喪失を経験した、または経験している人々を認める。
  • パワーのある人が席をはずす(物理的にその場を離れる)など、パワーのない人がパワーの不均衡が生じない形で検討したり議論したりする機会を作るなどもできる。
  • パートナーシップがどのように進んでいるかを見直す時間を定期的に設ける。
  • パートナーシップのあらゆる段階において、力の差に気づき、声を上げ、表に出し、対処するために、時間、思考、努力、計画を考慮する。
  • グループの目的を支援するために異議をはさまずに使用できる裁量資金
  •  「このグループの辞書」を作る:当事者(必ずしもそうでなくても)にとって不親切な言葉・助けにならない言葉は、コプロダクションの場では代替の言葉が使われる。

などがありました。

当事者を半数以上とする、伝わる言葉を使う、など、常に意識しておきたいことがたくさんあると感じました。それと同時に、この項で言われていたのが「どのような方策が助けとなりそうか、どれをやってみるかは特に当事者が主導して決める」ということです。

 

良かれと思って先回りして何かをするのではなく、共に取り組む人と話し合いながらやっていくことが重要だと思いました。事前に考えて「気を利かせる」というようなことをしてしまいがちですが、コプロダクションに限らず、互いに声に出しながら決めていく、声を出しやすい環境を作る、ということが何より大事なのだと感じています。声を出しやすい環境を作るためには自分の醸し出してしまう空気や圧にも気付く必要があり、それにも意識を向けて。

東京大学 コプロダクション研究チーム 宮本有紀

 

 

共同創造Co-production資料26 その2: 精神保健領域で共同創造の原則を実践する

前回に引き続き、Roper, Grey, Cadoganによる、Co-production: putting principles into practice in mental health contexts(共同創造の原則を精神保健領域での実践に取り入れる)
https://healthsciences.unimelb.edu.au/departments/nursing/about-us/centre-for-psychiatric-nursing/news-and-events/test
冊子のPDFはこちら
についてです。
Roper C, Grey F, Cadogan E. Co-production – Putting principles into practice in mental health contexts. 2018.

ここでは、old power(旧来のパワー)、new power(新しいパワー)について対比されていて

旧来のパワー(権力)の価値観では、

  • 管理主義、制度主義、代表統治
  • 排他性、競争、権威、資源の統合
  • 裁量、守秘義務、私的領域と公的領域の分離
  • プロフェッショナリズム、専門化
  • 長期的な所属と忠誠心
    全体を通じての参加は少ない

新しいパワーの価値観

  • 非公式、参加意思のある人たちによる意思決定、自己組織化、ネットワークガバナンス
  • オープンソースコラボレーション、集団の知恵、共有
  • 根本的な透明性
  • DIY、作る文化
  • 短期的、条件付き所属
    全体を通じての参加はより多い

Source: Jeremy Heimans and Henry Timms, 2014

として挙げられていました。

ちなみに、
Jeremy Heimans and Henry Timms, 2014 とは
Heimans, J., & Timms, H. (2014). Understanding “New Power”. Harvard Business Review, https://hbr.org/2014/12/understanding-new-power
です。

コプロダクションに大切なこととして、

  1. その取り組みに関わる全員が、コプロダクションとその取り組みに賛同し、その両方を擁護する意思がある。個人や組織の中途半端な参加は、グループの活動を前進させるのに十分ではなく、有害になる可能性がある。
  2. 組織の背景などがある場合、関連組織内のリーダーや意思決定者が、コプロダクションとその取り組みの両方について、始める前から理解し、支援すること。
  3. 関係者全員が、リスクを取ることを厭わない。コ・プロダクションは、仕事とパートナーシップに取り組む新しい方法である。計画して熟慮しつつリスクを取ることは、その過程で見出されていく新しいパワーやさまざまな動き方の利点を認識するために必要である。
  4. グループ内の人々にコプロダクションへの対応力がない場合、コプロダクションの専門知識と支援へのアクセスが必要である。

が挙げられていました。

 

これまでの常識のようなものが旧来の力として新しいものの発現や創造を妨げてしまうことがあり、新しい考え方や新しい価値観にひらかれている、ということがコプロダクションで重要なことだということを感じます。それと同時に、自分は新しい価値観や自分と異なる考え方にひらかれているだろうか、自分が思っていることとは違う意見がたくさん出てきたときに、その場にとどまり一緒に作っていこうと思うには、何のために、というミッション(?)と、互いへの信頼や敬意が必要だな、と感じました。
東京大学 コプロダクション研究チーム 宮本有紀