共同創造Co-production 資料17: 精神保健サービスの提供における共同創造 Working Well Together

共同創造(コプロダクション)資料のご紹介です。

National Collaborating Centre for Mental Health. Working Well Together: Evidence and Tools to Enable Co-production in Mental Health Commissioning. London: National Collaborating Centre for Mental Health; 2019.

working well together

精神保健サービスの提供において共同創造を可能にするための根拠やツールが掲載されています。内容の紹介(英語)はこちら↓

https://www.rcpsych.ac.uk/improving-care/nccmh/other-programmes/coproduction

この資料(PDFファイル)への直接リンクはこちら↓です。

https://www.rcpsych.ac.uk/docs/default-source/improving-care/nccmh/working-well-together/working-well-together—evidence-and-tools-to-enable-co-production-in-mental-health-commissioning.pdf?sfvrsn=4e2924c1_2

  • 英国のNHS England (イングランドの国民健康サービス)では、精神保健サービスの提供も共同創造で行うよう提言しているわけですが(詳しくは*を)、この冊子(52ページ)では、精神保健サービスの提供において共同創造に取り組んでいる方々からのフィードバックから困難や障壁を紹介したり、共同創造の実践の現状や共同創造をする際に検討する点などが掲載されています。
  • mental health commissioningというのを精神保健サービスの提供、と訳してしまいましたが、医療や保健福祉サービスの制度が英国と日本とで同じではないので、このあたりのニュアンスを私自身もっと知りたいなと思っています。また、日本の精神保健福祉の中での実践に使えるようなまとめを作ったりしていきたいなと感じました。

    東京大学 コプロダクション研究チーム 宮本有紀

*宮本有紀, 小川亮. コ・プロダクション(共同創造)は英国の精神保健医療福祉施策にどのように位置づけられているか. 精神保健福祉ジャーナル 響き合う街で. 2019(87):11-6.

共同創造 Co-production 資料15: 哲学対話

共同創造をしていくにあたって、どんな風に対話の場を作れるかということは、とても大きいテーマだと感じています。そんな中、ここ数年(私にとって)耳にする機会が増えた、哲学対話の考え方が、共同創造でしようとしていることと通じている部分が多いように感じています。

NHKの解説アーカイブスに出ている解説「『考える力』を育てる『哲学対話』」(視点・論点) 2020年03月31日 (火) (東京大学 教授 梶谷 真司)がわかりやすかったです!

それによると、哲学対話は、哲学の思想を教えるのではなく、思考力を育てるものであり、「対話」がその主な方法として開発されたとあります。そして哲学対話は輪になって行う、「輪になる」ことには意味があり、円となることで前も後ろもなくお互いに対等で誰でも発言していい場となる、とあります。そして、話し合うテーマは自分たちで決める、人から与えられたのではなく、自分たちで探し、決めた問いだからこそ、自ら考えることができる、とあります。また、対話のルールはその実践者によって異なるが、この解説をしている梶谷真司さんのルール

1.何を言ってもいい
2.人の言うことに対して否定的な態度をとらない。
3.お互いに問いかけるようにする。
4.発言せずただ聞いているだけでもいい。
5.知識ではなく自分の経験にそくして話す。
6.意見が変わってもいい。
7.話がまとまらなくてもいい。
8.わからなくなってもいい。

NHK解説アーカイブス 「『考える力』を育てる『哲学対話』」(視点・論点) 2020年03月31日 (火)  東京大学 教授 梶谷 真司 より引用)

が紹介されていました。

この解説では、”自由に発言し、相互に問いかけることで、互いを尊重し、違いを受け止められるようになります。”、”理解できない相手ですら、考えるきっかけを与えてくれる存在として受け入れられます”ということや、結論を急がないこと、安心して意見を言える人間関係、何でも話せる場を作ることについて書かれています。

研究チームの自由な感想:
それぞれの違いを尊重しつつ、それぞれの意見や考えが出されることが、共同創造では必要なので、この哲学対話の考え方もとても大きなヒントとなりそう。

共同創造 Co-production 資料14: BMJ記事

BMJという学術誌があるのですが、そこで、研究の共同創造についての特集がありました。https://www.bmj.com/co-producing-knowledge
研究の雑誌なので、主に研究での共同創造に関する記事です。

そのEditorial(論説とでもいうのでしょうか)の記事↓
Co-production of knowledge: the future. BMJ 2021;372:n434  doi: https://doi.org/10.1136/bmj.n434 (Published 16 February 2021)
で、「共同創造は、研究の質と妥当性を高め、その影響は政策や実践にも及ぶ。」と記載されています。
主に研究に関連する共同創造についてのべられている記事ではありますが、ここでいくつかあげられているものを意訳してご紹介します。

1.共同創造は状況依存的であり、状況や場、文化、国によって、何がうまくいくかは異なる。
2.そこに参加している異なる専門性(や知恵)を持っている人達に対する信頼と、力(パワー)の共有、敬意が共同創造には必要である。
3.共同創造をするにあたって必要となることに対する関心が高まっている。
4.共同創造による研究を行っていくには、これまでとは異なる研究費の助成の仕方などが必要であろう。

この、3の、共同創造にあたって必要となることについて、私たちも関心があるわけですが、いろいろな人達も関心があるんだなということを改めて感じたのでした。
東京大学 コプロダクション研究チーム 宮本有紀

共同創造 Co-production 資料13: 健康と病の語りDIPEx

医療政策・医療行政に患者視点の導入が重要であるという考えでの取り組みということで、コプロダクションとも関係すると思い、「健康と病の語りデータベース」のご紹介です。

「体験した人にしか語れないことがある」
健康と病の語りデータベース
Database of Individual Patient Experiences: DIPEx
というものがあります。

DIPEx自体は、もともとイギリスからはじまっているようですが
元は、2001年にDIPEx Charity↓
https://dipexcharity.org/ がはじめた https://healthtalk.org/

ディペックス・ジャパン DIPEx Japan
https://www.dipex-j.org/
にもたくさんの語りが公開されています。

ディペックス・ジャパンは

  • 「患者さんやご家族へ」情報や知恵と勇気、心の支えを提供する
  • 「友人・職場の人など周囲の人々へ」病を患うことについてわかりやすく提示して患者さんの社会生活の質の向上
  • 「医療系学生や医療者の教育に」活用する
  • 「患者体験学の確立」:医療政策・医療行政には患者視点の導入が重要であるとの思いから、「患者体験学」の体系を整え、患者の声を確かな学術的研究に結びつけていく

ことを目指しているとのことです。

語りデータベースの目的

また、ディペックス・ジャパンでは、1つの疾患につき必ず複数の体験(語り)が集められているそうです。

語りデータベースの特徴


研究チームの印象に残ったこと・自由な感想

  • 患者さんの声が重要だと思っても、患者さん達に協力を依頼したりコンタクトしたりにたどり着けない人達も多そう(特に医療の教育現場など。)。患者さんの声を紹介する等の時にもこういったデータベースは重要。
  • 医療に関わる何かを作り出すときに、その計画段階から患者の立場の人達に入ってもらうのは重要かつ不可欠だけれど、参加してくれている人達が全患者さんや全ての状況を代表しているわけではないから、このようにたくさんの語りに接することができるデータベースは貴重。
  • 複数の語りが公開されていることはすごい。また、項目で整理されていたり、一つ一つの語りは短めで見やすくて、テキストでも読めてすごい。

共同創造 Co-production 資料12: 製薬領域での患者参画

Co-productionと重なりの大きい考え方に患者参画あるいは患者市民参画があると思います。
(Co-productionと患者市民参画の考え方の関係については、またいつかメモを残しておきたいと思いつつ)

そして、製薬の領域でも、「患者の声を活かす」ということを大事に考えているようです。
日本製薬工業協会(製薬協)JPMAさんでは、患者中心(Patient Centricity)という言葉を使い、患者の声を活かした医薬品開発に向かっていくための報告書などを公開されています。

「患者の声を活かした医薬品開発 -製薬企業によるPatient Centricity-」
http://www.jpma.or.jp/medicine/shinyaku/tiken/allotment/patient_centricity.html

「製薬企業が Patient Centricity に基づく 活動を実施するためのガイドブック」
「製薬企業が患者団体と Patient Centricity に基づく活動を推進するための コミュニケーションガイドブック」
http://www.jpma.or.jp/medicine/shinyaku/tiken/allotment/patient_centricity2.html


研究チームの思ったこと・自由な感想

  • 薬を使うのは患者さんなので、患者さんの声を聞くのは本当に重要だと思う。
  • Patient Centricity(患者中心)自体は、Co-productionをしなかったとしても、達成しうると思うが、いろいろな領域で患者さんの声を活かす、ということへ向かっていっているのだなと感じた。

共同創造 Co-production 資料11: SCIE「社会福祉領域でのコプロダクション:コプロダクションとは何か、どのようにするか」平易版

共同創造(コプロダクション)資料のご紹介です。

資料に平易版(Easy Read)があるときは、それが一番私にとってはわかりやすく、とても気に入っている資料の一つとして、
Social Care Institute for Excellence (SCIE) による
「社会福祉領域でのコプロダクション:コプロダクションとは何か、どのようにするか」平易版Co-production in social care: What it isand how to do it (Easy read summary)
(アクセス:2020年12月5日)
をご紹介します。

共同創造(コプロダクション)についての説明をいくつか抜き出します:
共同創造(コプロダクション)とは、サービス提供者側とサービスを利用する人やその介護者がともに取り組むことを意味します。(p.1)

共同創造(コプロダクション)の基本の意味は、何かをするために共に取り組む、ということです。異なる視点や考えをもった人たちが、誰にとっても良いものとなるよう集まってとりくむことです。(p.3)

共同創造(コプロダクション)は、サービスを利用する人、介護者、そしてサービスを運用する人たちが対等な立場で集まります。対等とは、他の人よりも大事な人というのがいるわけではない(誰もが同じように大事な人である)ことを意味します。(p.4)

共同創造(コプロダクション)で大切なこと

  • サービス利用者、介護者、サービス提供者が皆で同じことのために一緒に取り組む
  • サービス利用者と介護者がもつ力(パワー)と統制権(コントロール)が増す
  • サービス利用者と介護者は、サービス側のすること全ての一員となる
  • サービス利用者と介護者は、その知識とそのできることがある、価値ある存在であることをサービス側は理解する
  • サービス側のためにしたことに対して何かを得る-謝礼を支払われたり、何かを無料でできたり、新しいことを学んだり
  • サービスがどのように行われるかについて、管理者よりも、サービス利用者や介護者と接して働くスタッフの発言力が増す

共同創造(コプロダクション)の原則

  1. 対等性(Equality)
    誰もが持ち寄るものがあり、誰かだけがとりわけ大切ということはない(皆が同じように大切)
  2. 多様性(Diversity)
    コプロダクションにおいて皆が参加できているように
  3. アクセス(Access)
    コプロダクションへの参加が、誰かにとっては難しいようなことはあってはならない
  4. 相互性(Reciprocity)
    コプロダクションに取り組むことにより皆がそれぞれ何かを得る。お金のこともあれば何かを無料でできるとか。友達ができる、誰かの役に立つことで気持ちが良いなども

などが大きな字で、絵と共に記されていました。

平易な言葉にすることで、表現しきれないことも出てきてしまうのだろうとは思いますが、より多くの人がその意味をつかむことができる、アクセスできるということはとても重要なことだと思いました。

東京大学 コプロダクション研究チーム 宮本有紀
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共同創造 Co-production 資料10: 市民と行政との協働【2】(NPOと協働する行政職員の8つの姿勢、行政と協働するNPOの8つの姿勢)

(※「市民と行政との協働【1】」から続きます。)
今回は、前回に引き続き、「市民と行政との協働」に関する資料をご紹介いたします。

前回お示しした東京都東村山市の協働マニュアルには、「協働の原則」以外にも、大切な考え方として「NPOと協働する行政職員の8つの姿勢」(NPO活動推進自治体ネットワーク 協働を進めるための行政職員の意識改革研究会編)が引用されておりました。

その内容は…

  1. 公共は「官」だけが担うのではなく、NPOや企業などさまざまな主体と共に担う意識を持つこと
  2. 協働とは特別なことではなく、チャレンジであり、失敗を恐れない意識を持つこと
  3.  ニーズは、現場に足を運び、当事者の生の声に耳を傾けてこそわかるという意識を持つこと
  4. 協働相手とは対等である。本音で語り合えてこそ、協働であるという意識を持つこと
  5. 協働の現場では、自らの責務として率先して行政内部で連携し相乗効果を得ること
  6. 協働には十分なコミュニケーションが必要であり、共感するには時間がかかるという意識を持つこと
  7. 情報は市民のものであり、市民のために活用してこそ価値がある
  8. 協働できない理由を探すのではなく、受益者のためにどうしたら実現できるのかを考えること
    …といったものとなっています。

上記の「NPOと協働する行政職員の8つの姿勢」の内容は、日本NPOセンターのwebサイトhttps://www.jnpoc.ne.jp/?page_id=10158にも記載されており、このページには、「行政と協働するNPOの8つの姿勢」(民間NPO支援センター・将来を展望する会 編)に関しても記されています。
また、後者については、https://www.jnpoc.ne.jp/?page_id=457にさらに詳しい説明が述べられています。

その「行政と協働するNPOの8つの姿勢」は…

  1. 市民の共感と参加を基本とする事業づくりの能力を持ち、それを通じて本当の市民自治を促進すること
  2. ミッションと協働事業の整合性を考え、事業を展開すること
  3. 行政に依存せず、精神的に独立していること
  4. 相互のシステムの違いを理解しつつ、解決の糸口を見出していく姿勢を持って努力すること
  5. NPOならではの関与によって協働事業の質を向上できるような専門性・特性をもつこと
  6. ルールの違いを乗り越えるための能力を備えておくこと
  7. 協働した結果は、市民の共有財産として広く積極的に知らせていくこと
  8. 契約にあたって、対等な立場で交渉する力をつけること
    …といった内容となっています。

これらの「8つの姿勢」も、「市民/NPO」を「当事者」に、「行政/官」を「専門職」になぞらえてみると、「保健医療領域における当事者と専門職の共同創造」に向けて多くの示唆を与えてくれる資料ではないかという思いから、ご紹介してみました。

東京大学 コプロダクション研究チーム 小川亮
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研究チームの印象に残ったこと・自由な感想:
単語を変えればそのままさまざまな領域で当てはまる感じ。
日本NPOセンターのNPOと共同する行政職員の8つの姿勢、行政と共同するNPOの8つの姿勢は、様々な地域・組織の沢山の人が参加して作られている。
日本語で作られているため読んでいてわかりやすくてよい。
コプロダクションへのヒントはほかの領域にもたくさんあるので、そういったところにもアンテナを広げていきたい。
コプロダクションとか共同創造以外の他の言葉(たとえばcollaboration, engagementなどいろいろ)を使っているところもたくさんあるのでもっと知りたい。

共同創造 Co-production 資料09: 市民と行政との協働【1】(東京都東村山市協働マニュアル)

前回ご紹介した書籍では、co-production(コ・プロダクション;共同創造)の源流が、公共サービス領域にあるという経緯が述べられておりました。
日本でも、それに通ずる試みとして、(「co-production」や「共同創造」ではなく「協働」という異なる用語が用いられてはおりますが、)「市民と行政との協働」が各所で実践されているようです。
例えば、試しにGoogleで「協働」と検索してみると、様々な自治体のwebサイトに「市民との協働」に関する記載が見出されます。
一例を挙げると、東京都東村山市では、「協働とは」「協働の原則とは」といった説明https://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/kurashi/shiminkatsudo/suishin/index.html
に加え、「協働を進めるためのマニュアル -職員用実務編-」といった資料(↓ pdf)も公開されています。
https://www.city.higashimurayama.tokyo.jp/kurashi/shiminkatsudo/suishin/kyodo_manual.files/2018_kyodo-manual_syokuin.pdf

マニュアルでは、協働についての基本的な考え方に加え、協働事業の進め方や「協働事業ふりかえりシート」といったツールも紹介されているため、co-production(共同創造)で何らかの活動や事業を実践してみたい方にもご参考になるのではと考えています。

少しだけ内容をご紹介いたしますと、例えば「協働の原則」として…
「自主・自立の原則」
公共的な事業・サービスに対して、市民活動団体の自主性を尊重するとともに、お互いに依存していくのではなく、それぞれの責任において事業が展開できることを目指し、互いに自立した存在と認めることをいう。
「相互理解の原則」
それぞれの長所、短所、立場を十分に認識し、理解し、尊重しあうことをいう。
「対等の原則」
市民活動団体と行政は、上下の関係でなく、常に対等の立場であることをいう。
「目的共有の原則」
市民活動団体と行政は、公共的な事業・サービスの提供が市民の利益につながるという目的を共有することをいう。
「公開の原則」
市民活動団体と行政の関係が公開されることをいう。

…という5点が挙げられています。

こちらのブログで主に取り上げている「保健医療領域における当事者と専門職」との関係ではなく、「市民と行政」との関係にまつわる内容ですが、「市民活動団体」を「当事者」に、「行政」を「専門職」に置き換えて考えてみると、私たちにとっても大切なヒントがたくさん発見できる資料ではないかという視点から、ご紹介してみました。
(※「市民と行政との協働【2】」に続きます。)

東京大学 コプロダクション研究チーム 小川亮

リカバリーカレッジ資料 06

リカバリーカレッジに関する文献リストその6です。

武田 宏 (2020). ロンドン南西リカバリーカレッジのカリキュラム. 医療・福祉研究, 28: 85-91.
http://ihmk.sakura.ne.jp/mokuji/mokuji.htm

こちらは、医療・福祉研究の最前線報告、ということで、ロンドン南西リカバリーカレッジ(South West London Recovery College)のカリキュラムについて、一部講座のシラバスの紹介と共に紹介されています。
著者の武田様から教えていただきました。武田様、どうもありがとうございました!

共同創造 Co-production 資料06: TLAP「co-productionの10の秘訣」平易版

共同創造(コプロダクション)とは、のさまざまな説明を読んでいます。今回は、
think local act personal の平易版(Easy Read version) のご紹介です。
共同創造の10の秘訣 Our top 10 tips for Co-production
(アクセス:2020年7月25日)

共同創造(コプロダクション)とは?
共同創造とは、共に取り組むやり方のひとつです。
共に取り組むのは、たとえば読みやすいチラシを作るといったことから、新しい事業の企画をすることまで、なんでもかまいません。
事業やサービスに何が必要かを一番わかっているのは、その事業を利用している人達だというのが大事な点です。
そこには、その利用者の家族なども入ります。
対等な存在として共に取り組むことによって、人々が大切だと思うことが取り入れられます。

共同創造(コプロダクション)の私たちにとっての10の秘訣
1.共同創造は、そこにいる人は皆、対等な立場で発言ができるという考えからはじまります。
2.一番最初の時点から、そのサービスを利用する立場の人々も含まれていなければなりません。
3.計画段階から実行、評価まで、全てに、人々が関わります。
4.共同創造がうまくいくには、前線で働く人から管理者まで、そこに関わる全ての人々の思いが一つでなければなりません。
5.小さいことからはじめ大きなプロジェクトへと積み上げていきます。そして専門職ではなく、人々(市民)が主導します。
6.共同創造には、それぞれ異なる技術を持つ人々が必要です。
7.共同創造を支えるために適したスタッフを確保します。
8.サービスを利用している人々は、何が必要かを明確にし、それが実現するようしっかりと取り組みます。
9.サービスを利用している人々は、役立つものが何かを知っているので、彼ら抜きではよいものはできません。
10.誰かだけが全ての問題を解決しなければならないと考えなくてよい、グループが一緒に解決できます。

そして上記のほかに、共同創造が起きるために、
十分なお金とサポートがあること、たとえば謝金や交通費、わかりやすい情報、アクセス
スタッフにも十分な時間や必要なものがあること
誰かが他の人よりえらいといったことはない
適切なサポートがあれば誰もが貢献できる
耳を傾けることで人々の持っているものが引き出される手助けとなる
言われたことを検討し、行動する
力を分かち合うことを学ぶ、
などのこつも書かれています。

平易版は、字も大きく読みやすく、また、このような平易な言葉で表現することで、
より本質に近づいていく部分もあるように思いました。

東京大学 コプロダクション研究チーム 宮本有紀
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