日本のリカバリーカレッジ(2024年8月時点)

共同創造の実践例としていつもご紹介させていただくリカバリーカレッジ。
日本でリカバリーカレッジの理念(共同創造で運営されていて、誰でも参加できる、学びの場)に基づいて活動しているとお聞きしているカレッジの一覧を作りたいと思いつつ、全部を網羅はできていないのでかえってご迷惑をおかけしちゃうかな、と思い掲載を迷っておりましたが、以前掲載した、2022年10月時点のリストも参考になった、と言っていただいたこと、また、その後もオープンしているとお聞きしているので、私の知っている範囲で、公開されているウェブサイトやフェイスブックページなどのリンクと共にあげさせていただきます。(2024年8月)

    • ここに載っていないリカバリーカレッジもあると思います。リカバリーカレッジの認定機関があるわけではありません。
    • リカバリーカレッジと名乗っていなくても、共同創造によって運営されていて、誰でも参加できる学び合いの場の実践をされているところもたくさんあります。
    • 現在活動をお休みしているところもあるようです。(2022年10月のリストに挙げていたカレッジで2024年8月時点では開講されていなくても、閉校したとお聞きしたわけではない場合には、掲載させていただいております)
    • カレッジによって、第一回講座をしました、とか、オープン、など表現が異なるのを宮本が勝手に「開校」と表現してしまっております。便宜上、講座の開催を「開校」とさせていただきましたが、どのカレッジも準備などの活動をもっと前からされています。
    • ここで掲載しているリカバリーカレッジは医療・福祉ではないものを挙げております。デイケアや福祉サービスの中で「リカバリーカレッジ講座」をされている組織もたくさんあるのですが障害のある人だけが対象となってしまうものはここには掲載しておりません。
    • どのカレッジの方ともご連絡が取れるのですが、今回は、個別の問い合わせなどはせず、あくまでも公開情報からわかることだけ掲載させていただきました。
    • 準備中のカレッジは、リカバリーカレッジの活動として公開されている情報やウェブページ等がある場合に記載させていただきました。
    • 情報は、宮本調べで、間違いもあるかもしれません。間違いなどに気づかれましたらぜひ教えてください。

リカバリーカレッジ (東京都三鷹市) 2013年開校
https://sudachikai.eco.to/pia/index.html

リカバリーカレッジたちかわ (東京都立川市) 2015年開校
http://recoverycollege.jp/tachikawa/

リカバリーカレッジ名古屋 (愛知県名古屋市) 2018年開校
https://recoverycollege-nagoya.com/

リカバリーカレッジみまさか (岡山県美作市) 2019年開校
https://www.facebook.com/recovery.college.mimasaka/

リカバリーカレッジOKAYAMA (岡山県岡山市) 2019年開校
https://rcokayama.jp/

リカバリーカレッジSAGA (佐賀県佐賀市) 2019年開校
https://m.facebook.com/profile.php?id=100068255426060

リカバリーカレッジあんなか (群馬県安中市) 2019年開校
https://www.facebook.com/recoverycollege.annaka/

リカバリーカレッジおおた (東京都大田区) 2020年開校
https://sites.google.com/edu.teu.ac.jp/recoveryota

リカバリーカレッジねやがわ (大阪府寝屋川市) 2021年開校
https://rcneyagawa.blog.fc2.com/
(新しいページがあるのか?わからず)

リカバリーカレッジふくおか (福岡県福岡市) 2021年開校
https://lilyfukuoka.jp/ac/rcf

リカバリーカレッジKOBE (兵庫県神戸市) 2022年開校
https://rcchauchaukobe.jimdofree.com/

リカバリーカレッジ高知 (高知県高知市) 2022年開校
https://linktr.ee/rc_kochi

リカバリーカレッジ炭都(福岡県筑豊地域) 2022年開校
https://www.recoverycollegetanto.com/

ディスカバリーカレッジmii (宮城県仙台市) 2023年開校
https://www.facebook.com/people/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B8mii/61556610832682/

リカバリーカレッジ多摩(東京都多摩市) 2024年開校(プレ講座2023年)
https://plaza-de-en.com/rc.tama/

リカバリーカレッジぐんま(群馬県 高崎市・前橋市・玉村町を中心に) 2024年開校
https://rcgunma.com/

リカバリーカレッジ千葉(千葉県 佐倉・茂原・市原・千葉)2024年開校
https://shimin2023.wixsite.com/chiiki

リカバリーカレッジ ポリフォニー(東京都東久留米市)
生活訓練事業所として2018年に開所。生活訓練事業所のプログラムと以外に誰でも参加できるオープンカレッジを開催
https://rcpolyphony.webnode.jp/

リカバリーカレッジよこはま(神奈川県横浜市) 今後開校予定
https://rc-yokohama.com/

リカバリーカレッジおいでまいさぬき(香川県) 今後開校予定
https://rckagawa.jimdosite.com/

リカバリーカレッジosaka(大阪府 オンライン?)準備中
https://recoverycollegeosaka.amebaownd.com/

リカバリーカレッジHARIMA 準備中
https://note.com/recovery_harima/

リカバリーカレッジ岐阜 準備中
https://olive-trees.work/%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B8%E3%82%92%E5%B2%90%E9%98%9C%E3%81%AB%E4%BD%9C%E3%82%8B%EF%BC%81/

どなたにもご迷惑がかかりませんように。と思いつつ、リカバリーカレッジにご関心のある方達がつながれると良いなと思い、公開されている情報を記載させていただきました。公開せずに近隣の方達と活動されている方達もいらっしゃると思います。みなさま今後ともよろしくお願いいたします。
東京大学コプロダクション&リカバリーカレッジ研究チーム 宮本有紀

共同創造Co-production資料31 コ・プロダクションの理論と実践―参加型福祉・医療の可能性

共同創造について、斉藤弥生先生の
コ・プロダクションの理論と実践―参加型福祉・医療の可能性」2023年、大阪大学出版会 https://www.osaka-up.or.jp/book.php?isbn=978-4-87259-766-0
を拝読し、共同創造とうたっていなくても、日本でもこんなに多くの実践がなされていたのだなと気づきました。
保健医療領域で市民と共に作り上げ提供されている活動として以前から取り組まれてきたことに、医療協同組合等での実践があります。
この書籍では、斉藤先生とスウェーデンのVictor Pestoffらとの取り組みや、さまざまな協同組合での実践が紹介されており、とても興味深く、さまざまな組織やその在り方に関心がわきました。

それと同時に、以前からあった協同組合と共同創造が全く同じなのか、ほかにはどのような呼び名(?)のありかたがあるのか、など、考えたいことがたくさんあります。

共同創造というと、つい英国の情報や、オーストラリアなどの情報が目にはいってしまいますが、共同創造という言葉が使われる前から日本で以前から行われている実践や、北欧での住民参加実践などについてもっと知りたいと思わされました。
東京大学コプロダクション研究チーム 宮本有紀

リカバリーカレッジの文化祭が名古屋市で開催されました(2024/2/24)

2024年2月24日(土)に、リカバリーカレッジ文化祭といって、全国のリカバリーカレッジが集まる催しが愛知県名古屋市で開催されました。

この、リカバリーカレッジの文化祭、というのは、全国のリカバリーカレッジで集まってみんなでお互いの講座などに参加したり発表しあったりしましょうよ、ということで2022年に岡山で第一回が、2023年は久留米で第2回目が開催されていて、今回の名古屋が第3回目でした。
その前から、リカバリーカレッジに関する報告会や研修会に全国のリカバリーカレッジの仲間たちが集まったり、リカバリーカレッジのつどいなどを開催してきたのですが、「文化祭」と名付けた催しとなってから、各地のリカバリーカレッジが持ち回りで開催をするようになっています。

名古屋の文化祭のチラシです↓。文化のみち撞木館という、趣のある素敵な会場でした。

リカバリーカレッジ文化祭 in 名古屋

共同創造に関連すること アクセシブルミーティング

アクセシブルデザイン(共用品)という考え方があります。
詳しくは共用品推進機構のサイト https://www.kyoyohin.org/ja/kyoyohin/faq.php にあります。
共用品・共用サービスとは、「身体的な特性や障害にかかわりなく、より多くの人々が共に利用しやすい製品・施設・サービス」のことだそうです。

この中に、みんなの会議(アクセシブルミーティング)という考え方が記載されていました。
「会議に、今まで参加しづらかった人たちが参加できるようになれば、これまで以上に活発な議論が交わされ、新しい発想からのアイディアも出るのではないでしょうか。

けれども、みんなが参加でき、みんなが考えられる会議を行うためには、ちょっとした配慮や工夫が必要になってきます。」

ということで、「アクセシブルデザインの標準化・国内標準化」https://www.kyoyohin.org/ja/research/japan/index.php
障害のあるなし、年齢の高低に関わらず、より多くの人が参加できる、アクセシブルミーティングという視点で工夫の記載された小冊子
みんなの会議(アクセシブルミーティング小冊子)[PDFファイル/WEB閲覧向け]
アクセシブルミーティング実施に向けての配慮事項検索できるサイト https://www.kyoyohin.org/06_accessible/060101_jiss0042.php
が掲載されていました。

また、アメリカ政府には、Create Accessible Meetings https://www.section508.gov/create/accessible-meetings/
というサイトもありました。

共同創造も、さまざまな立場、視点の方が対等に参加するためには、その会合はみんなが参加できるものでなければならず、このアクセシブルミーティングの考え方や、アクセシブルデザインを用いることは不可欠なことだと感じました。
アクセシブルミーティングという言葉を私自身はこれまで知りませんでした。おそらくこの言葉を使っていなくても、このような取り組みはされていたと思いますが、このような考え方を指す言葉が共有されることで、そこに意識を向けやすくなり、広がりやすくなるだろうなと思いました。こういったいろいろな考え方やその言葉をどんどん知りたいです。

東京大学 コプロダクション研究チーム 宮本有紀

共同創造 Co-production 資料22: コ・プロダクション論と日本の福祉供給体制と市民参加

今回は、小田巻友子氏による論文のご紹介です。

小田巻友子 (2018) コ・プロダクション論から見た日本の福祉供給体制における「市民参加」への懐疑. 松山大学論集.  30(4-1),161-182
https://core.ac.uk/download/pdf/230513064.pdf

1 コ・プロダクション概念の広がり
2 公共的なサービス生産への市民の参加をどのように捉えるか
3 日本における福祉社会の言説の浸透
4 日本の地域包括ケアシステムにみる「市民参加」
5 潜在的なニーズの発掘

というような形で日本語で記載されていて、とても勉強になりました。

財やサービスを生産している諸個人やグループを「レギュラーな生産者(regular producer)」、
レギュラーな生産者と一緒に自らが消費する財やサービスの生産に自発的に寄与しようとする
諸個人やグループを「消費者生産者(consumer producer)」と位置づけ、
その双方が貢献することが可能である生産関係を「コ・プロダクション」とする考え方が紹介されていました。
このように考えると、たとえば精神科ピアサポートスタッフは自身の勤務する場ではレギュラーな生産者なんだな、と、
自分の中で整理できました。

また、小田巻氏は
「消費者生産者とレギュラーな生産者がそれぞれ固有の情報をもっており,互いにその情報が見えにくいという
「情報の不完全性」の解消にこそ,サービス生産過程への消費者生産者投入の意義がある」とし
市民の参加を決定の主体とすることが重要であると述べています。
おこなわれるサービスがコ・プロダクティブな自己決定により選択されるならば、
そのサービスの供給は当事者、専門家、それらの協働のどの形で供給されるのでもこだわる必要はない
と述べていて、とても腑に落ちた気がしました。

(リカバリーカレッジでも、どんな講座を受けたいか、どんな講座があるとよいか、
どんな講座に参加するかが当事者主体で決定されていればその供給は誰からでもよいのかも知れないと思うこともあったので)

小田巻氏の論文に、
「私たちはそれらの市民の参加が単なる担い手としてのレベルにとどまっているのか,
実質的な意思決定過程における市民の参加という観点からもその取り組みが説明できるのか注視する必要がある」と
記載されていて、ここでの「市民」を、保健医療福祉における「患者・利用者」として
全く同じことが言えるだろうなと感じました。

また、小田巻氏の注目しているコ・プロダクション事例として
「2000年から本格実施された18歳以上の精神障害者を対象とした公的サービスであるPersonligt ombud(PO)」
についての紹介もあり、さらに知りたいなと思いました。

じっくり読みたい資料や論文がたくさんあるのになかなか読み進められずにおりますが今後も少しずつ重ねていきたいです。
東京大学 コプロダクション研究チーム 宮本有紀

リカバリーカレッジの文化祭が岡山市で開催されました(2022/3/20)

岡山で「みんなでカレッジ」
リカバリーカレッジ文化祭が2022年3月20日(日)に開催されました。

岡山市の商店街の中で活動しているリカバリーカレッジOkayamaさんが主催してくださいました。
商店街の中にあるカレッジで、オンラインと対面の企画がありました。
さまざまな地域で活動するリカバリーカレッジのみなさんとお会いできてとても楽しい時間でした。

https://asunarofuku.jp/content/files/asunaro/zaidan/rc20220320.pdf

Co-production 勝手にリカバリーカレッジの応援

共同創造によって学びの場を創り出すリカバリーカレッジが大好きで、勝手に各地のリカバリーカレッジを応援しております。
秋学期のスタートのお知らせをちらほらとお聞きしているので、リカバリーカレッジの講座を受講したい方や知りたい方達に情報が届くようにとここでも公開情報をご紹介させていただきます。
(ご紹介は順不同です。私=宮本が把握したリカバリーカレッジの情報のみ、かつ、公開されている情報のみ、2021/9/3の時点での情報をご紹介しております。受講料の有無はカレッジによって異なるのでご自身でご確認ください。)

リカバリーカレッジ(東京都三鷹市) https://sudachikai.eco.to/pia/course.html こちらのページに、2021年度秋学期講座の講座や申し込みの方法が書いてあるPDFに飛べるリンクがあります。ここにある資料によると、秋学期の受講期間は2021年9月29日~12月22日で、2021年度秋学期は、オンラインと対面の講座があるようです。申し込みは左側に「お申し込み」の欄がありますのでそちらから~

リカバリーカレッジたちかわ (東京都立川市) http://recoverycollege.jp/tachikawa/2021-22autumn/ 秋期講座は2021年9月~11月で、オンラインZOOM開催で、9月4日が始業式とあります! 

リカバリーカレッジふくおか(福岡県福岡市) https://www.rcfukuoka.com/  秋学期は9月下旬~12月のようで、応募期間は2021年8月22日~9月20日とありました!

リカバリーカレッジおおた(東京都大田区) https://www.ota-shakyo.jp/news/05/05/event-20210831161715 は9/14にオンライン講座があります。

COVID-19の感染拡大が落ち着かず、開催について検討継続中のカレッジの話もお聞きしています。早く状況が落ち着くと良いですよね。。

共同創造Co-production 資料16: 研究における共同創造

日本精神障害者リハビリテーション学会の発行している雑誌「精神障害とリハビリテーション」で、研究における共同創造や患者市民参画に関する特集が組まれました。

精神障害とリハビリテーション Vol.25 No.1 特集 研究における当事者参加 (出版年月日:2021/07/14) https://www.kongoshuppan.co.jp/smp/book/b587839.html

精神障害とリハビリテーション Vol.25 No.1 特集 研究における当事者参加

コプロダクション研究チームの小川亮や宮本有紀もいくつかの記事に参加させていただいております~。

なお、医療やサービスの共同創造も、研究の共同創造も、どちらも、効率重視でやってしまうとせっかくの共同創造が活かせないという思いと、しかしながら進めていくにはどこかで決めて動いていかないとせっかく共同創造で良いものを生み出しているのにそれを周囲に届けられないといった面があるように思っており、どうすると良いのかなぁ、と個人的には思っています。そして、あれもやりたい、これもやりたい、こんな風にしたい、と自分はとても欲張りで、でもどれもちゃんと取り組める時間をかけられていなくて結局どれも中途半端になってしまって、、、という感じになってしまっている自分を感じています。宮本の独り言でした。

共同創造 Co-production 資料15: 哲学対話

共同創造をしていくにあたって、どんな風に対話の場を作れるかということは、とても大きいテーマだと感じています。そんな中、ここ数年(私にとって)耳にする機会が増えた、哲学対話の考え方が、共同創造でしようとしていることと通じている部分が多いように感じています。

NHKの解説アーカイブスに出ている解説「『考える力』を育てる『哲学対話』」(視点・論点) 2020年03月31日 (火) (東京大学 教授 梶谷 真司)がわかりやすかったです!

それによると、哲学対話は、哲学の思想を教えるのではなく、思考力を育てるものであり、「対話」がその主な方法として開発されたとあります。そして哲学対話は輪になって行う、「輪になる」ことには意味があり、円となることで前も後ろもなくお互いに対等で誰でも発言していい場となる、とあります。そして、話し合うテーマは自分たちで決める、人から与えられたのではなく、自分たちで探し、決めた問いだからこそ、自ら考えることができる、とあります。また、対話のルールはその実践者によって異なるが、この解説をしている梶谷真司さんのルール

1.何を言ってもいい
2.人の言うことに対して否定的な態度をとらない。
3.お互いに問いかけるようにする。
4.発言せずただ聞いているだけでもいい。
5.知識ではなく自分の経験にそくして話す。
6.意見が変わってもいい。
7.話がまとまらなくてもいい。
8.わからなくなってもいい。

NHK解説アーカイブス 「『考える力』を育てる『哲学対話』」(視点・論点) 2020年03月31日 (火)  東京大学 教授 梶谷 真司 より引用)

が紹介されていました。

この解説では、”自由に発言し、相互に問いかけることで、互いを尊重し、違いを受け止められるようになります。”、”理解できない相手ですら、考えるきっかけを与えてくれる存在として受け入れられます”ということや、結論を急がないこと、安心して意見を言える人間関係、何でも話せる場を作ることについて書かれています。

研究チームの自由な感想:
それぞれの違いを尊重しつつ、それぞれの意見や考えが出されることが、共同創造では必要なので、この哲学対話の考え方もとても大きなヒントとなりそう。

共同創造 Co-production 資料13: 健康と病の語りDIPEx

医療政策・医療行政に患者視点の導入が重要であるという考えでの取り組みということで、コプロダクションとも関係すると思い、「健康と病の語りデータベース」のご紹介です。

「体験した人にしか語れないことがある」
健康と病の語りデータベース
Database of Individual Patient Experiences: DIPEx
というものがあります。

DIPEx自体は、もともとイギリスからはじまっているようですが
元は、2001年にDIPEx Charity↓
https://dipexcharity.org/ がはじめた https://healthtalk.org/

ディペックス・ジャパン DIPEx Japan
https://www.dipex-j.org/
にもたくさんの語りが公開されています。

ディペックス・ジャパンは

  • 「患者さんやご家族へ」情報や知恵と勇気、心の支えを提供する
  • 「友人・職場の人など周囲の人々へ」病を患うことについてわかりやすく提示して患者さんの社会生活の質の向上
  • 「医療系学生や医療者の教育に」活用する
  • 「患者体験学の確立」:医療政策・医療行政には患者視点の導入が重要であるとの思いから、「患者体験学」の体系を整え、患者の声を確かな学術的研究に結びつけていく

ことを目指しているとのことです。

語りデータベースの目的

また、ディペックス・ジャパンでは、1つの疾患につき必ず複数の体験(語り)が集められているそうです。

語りデータベースの特徴


研究チームの印象に残ったこと・自由な感想

  • 患者さんの声が重要だと思っても、患者さん達に協力を依頼したりコンタクトしたりにたどり着けない人達も多そう(特に医療の教育現場など。)。患者さんの声を紹介する等の時にもこういったデータベースは重要。
  • 医療に関わる何かを作り出すときに、その計画段階から患者の立場の人達に入ってもらうのは重要かつ不可欠だけれど、参加してくれている人達が全患者さんや全ての状況を代表しているわけではないから、このようにたくさんの語りに接することができるデータベースは貴重。
  • 複数の語りが公開されていることはすごい。また、項目で整理されていたり、一つ一つの語りは短めで見やすくて、テキストでも読めてすごい。