日本のリカバリーカレッジ(2026年6月時点)

日本のリカバリーカレッジが全国に増えています!というわけで、時折勝手に宮本調べデータを記事にさせていただいております。

2022年10月時点のリストや、2024年8月時点のリストもご覧いただいているようなので、あくまでも、私の知っている範囲で、公開されているウェブサイトやフェイスブックページなどのリンクと共にあげさせていただきます。(2026年6月)

  • ここに載っていないリカバリーカレッジもあると思います。リカバリーカレッジの認定機関があるわけではありません。
  • リカバリーカレッジと名乗っていなくても、共同創造によって運営されていて、誰でも参加できる学び合いの場の実践をされているところもたくさんあります。
  • 現在活動をお休みしているところもあるようです。(2026年6月時点では開講が確認できなくても、閉校したと聞いたわけではない場合には、掲載させていただいております)
  • カレッジによって、第一回講座をしました、とか、オープン、など表現が異なるのを宮本が勝手に「開校」と表現してしまっております。便宜上、講座の開催を「開校」とさせていただきましたが、どのカレッジも準備などの活動をもっと前からされています。
  • ここで掲載しているリカバリーカレッジは医療・福祉ではないものを挙げております。デイケアや福祉サービスの中で「リカバリーカレッジ講座」をされている組織もたくさんあるのですが障害のある人だけを参加対象とされているものはここには掲載しておりません。
  • 関係者に個別にご連絡をできるカレッジも多いのですが、今回は、個別の問い合わせなどはせず、誰でもたどりつける情報をコンセプトに、あくまでも公開情報からわかることだけ掲載させていただきました。
  • 準備中のカレッジは、リカバリーカレッジの活動として公開されている情報やウェブページ等がある場合に記載させていただきました。
  • 情報は、宮本調べで、間違いもあるかもしれません。間違いなどに気づかれましたらぜひ教えてください。

リカバリーカレッジ (東京都三鷹市) 2013年開校
https://sudachikai.eco.to/pia/index.html 2026年講座あり

リカバリーカレッジたちかわ (東京都立川市) 2015年開校
http://recoverycollege.jp/tachikawa/  2024年の講座以降はお休み中?

リカバリーカレッジ名古屋 (愛知県名古屋市) 2018年開校
https://recoverycollege-nagoya.com/ 2026年講座あり

リカバリーカレッジみまさか (岡山県美作市) 2019年開校
https://www.facebook.com/recovery.college.mimasaka/ 2020年以降はお休み中?

リカバリーカレッジOKAYAMA (岡山県岡山市) 2019年開校
https://rcokayama.jp/ 2023年以降はお休み中?

リカバリーカレッジSAGA (佐賀県佐賀市) 2019年開校
https://m.facebook.com/profile.php?id=100068255426060 2026年講座あり

リカバリーカレッジあんなか (群馬県安中市) 2019年開校
https://www.facebook.com/recoverycollege.annaka/ 2026年講座あり

リカバリーカレッジおおた (東京都大田区) 2020年開校
https://sites.google.com/edu.teu.ac.jp/recoveryota 2026年講座あり

リカバリーカレッジねやがわ (大阪府寝屋川市) 2021年開校
https://rcneyagawa.blog.fc2.com/
(2021年に講座あり。以降新しいページがあるのか?わからず)

リカバリーカレッジふくおか (福岡県福岡市) 2021年開校
https://lilyfukuoka.jp/ac/rcf 2026年講座あり

リカバリーカレッジKOBE (兵庫県神戸市) 2022年開校
https://rcchauchaukobe.jimdofree.com/ 2026年講座あり(講座情報はフェイスブック?↓)
https://www.facebook.com/people/リカバリーカレッジ-KOBE/100092369650693/

リカバリーカレッジ高知 (高知県高知市) 2022年開校
https://rc-kochi.online/ 2025年に講座あり

リカバリーカレッジ炭都(福岡県筑豊地域) 2022年開校
facebook: りかばりー・かれっじ炭都(tanto in 筑豊&オンライン  2024年に講座あり

ディスカバリーカレッジmii (宮城県仙台市) 2023年開校
facebook: ディスカバリーカレッジmii 2025年に講座あり

リカバリーカレッジ多摩(東京都多摩市) 2024年開校(プレ講座2023年)
https://plaza-de-en.com/rc.tama/ 2026年講座あり

リカバリーカレッジぐんま(群馬県 高崎市・前橋市・玉村町を中心に) 2024年開校
https://rcgunma.com/ 2026年講座あり

リカバリーカレッジ千葉(千葉県 佐倉・茂原・市原・千葉)2024年開校
https://shimin2023.wixsite.com/chiiki 2026年講座あり

リカバリーカレッジ ポリフォニー(東京都東久留米市)
生活訓練事業所として2018年に開所。生活訓練事業所のプログラムと以外に誰でも参加できるオープンカレッジを開催
https://rcpolyphony.webnode.jp/ 2026年講座あり

リカバリーカレッジところざわ 2024年頃から?
https://x.com/recovery_toko
https://es-pyt.amebaownd.com/ 公式サイトわからず

リカバリーカレッジヨコスカ 2025開校
https://akari-yokosuka.com/recovery-college-yokosuka/ 2026講座あり

リカバリーカレッジよこはま(神奈川県横浜市) 2025年プレ講座開催
https://rc-yokohama.com/ 2026年講座あり

リカバリーカレッジおいでまいさぬき(香川県) 2026年開校?
https://www.instagram.com/p/DTOpY8FEg4T/https://rckagawa.jimdosite.com/

リカバリーカレッジ Osaka(大阪府)2025開校?
https://sites.google.com/view/recoverycollege-osaka/ 2025年講座あり

リカバリーカレッジHARIMA(兵庫?) 2025開校?
https://note.com/recovery_harima/
https://kiki-fun.com/blog?wg%5Bwgc-1684378643036_cate%5D=7 公式サイトわからず

リカバリーカレッジ岐阜(オリーブの木?) 2025開校
https://olive-trees.work/

リカバリーカレッジうつくしま(福島)2025開校
https://rc-utsukushima.com/

リカバリーカレッジ長崎 2026開校?
NPO法人長崎のぞみ会 リカバリーカレッジ リカバリーカレッジ専用のサイトがあるかはわからず

リカバリーカレッジせぴあ(下関) 2026開校?
リカバリーカレッジ せぴあ

このほかに、「チビカレ」で活動している方々を個人的には知っているのですが公開されている情報を見つけられずでした。また、茨城のリカバリーカレッジいばらきも開校準備中と聞いています。
活動形態(頻度や開催方法)もさまざまで、正確な把握は困難ですが、少なくとも20以上のリカバリーカレッジが日本で活動をしているという状況と言えると思います。

どなたにもご迷惑がかかりませんように。と思いつつ、リカバリーカレッジにご関心のある方達がつながれると良いなと思い、今回も、自分で検索して見つけることのできた(つまり誰でもアクセス可能な)公開情報のみを記載させていただきました。カレッジの存在としては公開されているけれど、講座内容や講座の申し込みは公開されていないところも多かった印象です。また、存在をネット上では公開せずに近隣の方達と活動されている方達もいらっしゃると思います。みなさま今後ともよろしくお願いいたします。
東京大学コプロダクション&リカバリーカレッジ研究チーム 宮本有紀

共同創造Co-production資料38 精神健康に関する言葉

さまざまな経験をもつ人たちとお話しするときに、これまで医学の領域で使われていたような言葉(病識がない、とか、統合失調症患者、とか)は、何かとても失礼な言葉だったのではないか?と思うようになり、そして、医療者の視点から使っていた言葉でこれまで思考し、行動してきてしまったのではないか?と気づき始めました。

“ケアとサポートで私たちが使う言葉は、態度を形成し、行動に影響を与え、人生に影響を与える。” (Think Local Act Personal. Language.)

Language

ということで、Think Local Act Personalにケアやサポートの領域における言葉「Language」に関する資料がいくつもアップされていました。

そしてその中に、「精神健康に関する言葉」ということで、ケアや支援を利用する人とその領域で働いている人とで作られたガイド(ページ)が掲載されていましたのでご紹介です。

Communicating about mental health

たとえば

Mental health challenges

This is our preferred term for communicating about mental health conditions. We think ‘challenges’ focuses less on something being ‘wrong’ with a person, and more on the difficulties people face with their mental health due to things that have happened to them or are happening around them, and also difficulties with getting support that works for them.

(日本語に勝手に訳してみると↓)

メンタルヘルスの課題(チャレンジ)
これは、私たちが精神健康上の状態について伝える際に好んで使う言葉です。 私たちは、”課題 (チャレンジ)”という言葉は、その人の何かが “悪い “ということよりも、その人の身の回りで起きたことや起こっていること、またその人に合ったサポートを受けることの難しさによって、その人が精神的な健康に直面する難しさに焦点を当てたものだと考えています。

というような解説があります。

 

これは英語の言葉についてのガイドなのですが、これを日本語に訳すというよりも、日本の人にとっての好ましい日本語の言葉を考えることが重要なのだろうと思います。また、言葉は、時代と共に変わっていくものですのでどの言語だったとしても、継続的なアップデートは必要なのでしょう。
私自身は、臨床実践や、講義や研究をする中で、これまで、失礼な表現や、言われた人が傷つくような言葉をたくさん使ってきてしまったと思っています。そのことを考えるだけで申し訳ない思いになりますし、自分に対しても悲しくなります。しかし、今後誰かを傷つけることを恐れて何も言わないのではなく、なんという表現が良いか、共同創造の中で確認しながら、そしてお互いに勇気をもって思ったことを差し出し合える、そんな関係を築いて進めていけたらと感じています。

東京大学コプロダクション研究チーム 宮本有紀

共同創造Co-production資料35 Co-production collective(共同創造に関する組織)

共同創造について調べたい時に、「co-production」という言葉でインターネットを検索するとさくさんの情報がヒットします。(正直なところ、読みたい情報が多すぎて、もうなかなか間に合わないのですが)

今回は
Co-Production Collective https://www.coproductioncollective.co.uk/
という集まり(組織?)についてのメモです。

Co-Production Collectiveという組織は、元は、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(University College London = UCL)という大学のメンバーも設立にかかわっているようです。現在はUCLの、Co-Production and Public Engagement at UCL https://www.ucl.ac.uk/public-engagement/ の一部になっているようです。2017年にできたようで、「医療の研究、革新、実践における共同創造をサポートするセンター」を共同設立しようと集まったとのことで元はUCLコプロダクションセンターという呼び名だったそうです。

この集まりには、なんらかの当事者としての経験がある人、市民、研究者、その他共同創造が実践されている職場で働いている人などが参加しているそうで、自分達に支払われる謝金や方針なども共同創造で決めているとのことです。

資料の掲載 https://www.coproductioncollective.co.uk/championing-co-production/resource-library や、一緒に共同創造しましょう!という募集などさまざまな情報があります。

 

この組織の活動を補佐しているチーム(事務局的な?)や相談に乗ってくれるチーム(さまざまな経験のバックグラウンドのある人々)などについても、写真付きで公開されていて(おそらく載せて良い人だけですが)、そこに人間がいることを感じることができました。また、こういった活動をしていくためにもつながり方や役割がいろいろあることや、誰かがどこかで決めているということではなく、そこに参加している人が見える、ということにも意味がありそうだなと感じました。
日本でもこんなことができたらいいな、しかも、いろいろなところで(誰もがアクセスしやすい各地に)できたらいいな、と思ったりしています。
東京大学コプロダクション研究チーム 宮本有紀

 

日本のリカバリーカレッジ(2024年8月時点)

共同創造の実践例としていつもご紹介させていただくリカバリーカレッジ。
日本でリカバリーカレッジの理念(共同創造で運営されていて、誰でも参加できる、学びの場)に基づいて活動しているとお聞きしているカレッジの一覧を作りたいと思いつつ、全部を網羅はできていないのでかえってご迷惑をおかけしちゃうかな、と思い掲載を迷っておりましたが、以前掲載した、2022年10月時点のリストも参考になった、と言っていただいたこと、また、その後もオープンしているとお聞きしているので、私の知っている範囲で、公開されているウェブサイトやフェイスブックページなどのリンクと共にあげさせていただきます。(2024年8月)

    • ここに載っていないリカバリーカレッジもあると思います。リカバリーカレッジの認定機関があるわけではありません。
    • リカバリーカレッジと名乗っていなくても、共同創造によって運営されていて、誰でも参加できる学び合いの場の実践をされているところもたくさんあります。
    • 現在活動をお休みしているところもあるようです。(2022年10月のリストに挙げていたカレッジで2024年8月時点では開講されていなくても、閉校したとお聞きしたわけではない場合には、掲載させていただいております)
    • カレッジによって、第一回講座をしました、とか、オープン、など表現が異なるのを宮本が勝手に「開校」と表現してしまっております。便宜上、講座の開催を「開校」とさせていただきましたが、どのカレッジも準備などの活動をもっと前からされています。
    • ここで掲載しているリカバリーカレッジは医療・福祉ではないものを挙げております。デイケアや福祉サービスの中で「リカバリーカレッジ講座」をされている組織もたくさんあるのですが障害のある人だけが対象となってしまうものはここには掲載しておりません。
    • どのカレッジの方ともご連絡が取れるのですが、今回は、個別の問い合わせなどはせず、あくまでも公開情報からわかることだけ掲載させていただきました。
    • 準備中のカレッジは、リカバリーカレッジの活動として公開されている情報やウェブページ等がある場合に記載させていただきました。
    • 情報は、宮本調べで、間違いもあるかもしれません。間違いなどに気づかれましたらぜひ教えてください。

リカバリーカレッジ (東京都三鷹市) 2013年開校
https://sudachikai.eco.to/pia/index.html

リカバリーカレッジたちかわ (東京都立川市) 2015年開校
http://recoverycollege.jp/tachikawa/

リカバリーカレッジ名古屋 (愛知県名古屋市) 2018年開校
https://recoverycollege-nagoya.com/

リカバリーカレッジみまさか (岡山県美作市) 2019年開校
https://www.facebook.com/recovery.college.mimasaka/

リカバリーカレッジOKAYAMA (岡山県岡山市) 2019年開校
https://rcokayama.jp/

リカバリーカレッジSAGA (佐賀県佐賀市) 2019年開校
https://m.facebook.com/profile.php?id=100068255426060

リカバリーカレッジあんなか (群馬県安中市) 2019年開校
https://www.facebook.com/recoverycollege.annaka/

リカバリーカレッジおおた (東京都大田区) 2020年開校
https://sites.google.com/edu.teu.ac.jp/recoveryota

リカバリーカレッジねやがわ (大阪府寝屋川市) 2021年開校
https://rcneyagawa.blog.fc2.com/
(新しいページがあるのか?わからず)

リカバリーカレッジふくおか (福岡県福岡市) 2021年開校
https://lilyfukuoka.jp/ac/rcf

リカバリーカレッジKOBE (兵庫県神戸市) 2022年開校
https://rcchauchaukobe.jimdofree.com/

リカバリーカレッジ高知 (高知県高知市) 2022年開校
https://linktr.ee/rc_kochi

リカバリーカレッジ炭都(福岡県筑豊地域) 2022年開校
https://www.recoverycollegetanto.com/

ディスカバリーカレッジmii (宮城県仙台市) 2023年開校
https://www.facebook.com/people/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B8mii/61556610832682/

リカバリーカレッジ多摩(東京都多摩市) 2024年開校(プレ講座2023年)
https://plaza-de-en.com/rc.tama/

リカバリーカレッジぐんま(群馬県 高崎市・前橋市・玉村町を中心に) 2024年開校
https://rcgunma.com/

リカバリーカレッジ千葉(千葉県 佐倉・茂原・市原・千葉)2024年開校
https://shimin2023.wixsite.com/chiiki

リカバリーカレッジ ポリフォニー(東京都東久留米市)
生活訓練事業所として2018年に開所。生活訓練事業所のプログラムと以外に誰でも参加できるオープンカレッジを開催
https://rcpolyphony.webnode.jp/

リカバリーカレッジよこはま(神奈川県横浜市) 今後開校予定
https://rc-yokohama.com/

リカバリーカレッジおいでまいさぬき(香川県) 今後開校予定
https://rckagawa.jimdosite.com/

リカバリーカレッジosaka(大阪府 オンライン?)準備中
https://recoverycollegeosaka.amebaownd.com/

リカバリーカレッジHARIMA 準備中
https://note.com/recovery_harima/

リカバリーカレッジ岐阜 準備中
https://olive-trees.work/%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B8%E3%82%92%E5%B2%90%E9%98%9C%E3%81%AB%E4%BD%9C%E3%82%8B%EF%BC%81/

どなたにもご迷惑がかかりませんように。と思いつつ、リカバリーカレッジにご関心のある方達がつながれると良いなと思い、公開されている情報を記載させていただきました。公開せずに近隣の方達と活動されている方達もいらっしゃると思います。みなさま今後ともよろしくお願いいたします。
東京大学コプロダクション&リカバリーカレッジ研究チーム 宮本有紀

共同創造Co-production資料31 コ・プロダクションの理論と実践―参加型福祉・医療の可能性

共同創造について、斉藤弥生先生の
コ・プロダクションの理論と実践―参加型福祉・医療の可能性」2023年、大阪大学出版会 https://www.osaka-up.or.jp/book.php?isbn=978-4-87259-766-0
を拝読し、共同創造とうたっていなくても、日本でもこんなに多くの実践がなされていたのだなと気づきました。
保健医療領域で市民と共に作り上げ提供されている活動として以前から取り組まれてきたことに、医療協同組合等での実践があります。
この書籍では、斉藤先生とスウェーデンのVictor Pestoffらとの取り組みや、さまざまな協同組合での実践が紹介されており、とても興味深く、さまざまな組織やその在り方に関心がわきました。

それと同時に、以前からあった協同組合と共同創造が全く同じなのか、ほかにはどのような呼び名(?)のありかたがあるのか、など、考えたいことがたくさんあります。

共同創造というと、つい英国の情報や、オーストラリアなどの情報が目にはいってしまいますが、共同創造という言葉が使われる前から日本で以前から行われている実践や、北欧での住民参加実践などについてもっと知りたいと思わされました。
東京大学コプロダクション研究チーム 宮本有紀

共同創造Co-production資料26 その3: 精神保健領域で共同創造の原則を実践する

前々回前回に引き続き、Roper, Grey, Cadoganによる、Co-production: putting principles into practice in mental health contexts(共同創造の原則を精神保健領域での実践に取り入れる)
https://healthsciences.unimelb.edu.au/departments/nursing/about-us/centre-for-psychiatric-nursing/news-and-events/test
冊子のPDFはこちら
についてです。
Roper C, Grey F, Cadogan E. Co-production – Putting principles into practice in mental health contexts. 2018.

この冊子では、パワーについてたくさん書かれていて、パワーについて気づくことがテーマとなっていると拝読しました。その中でも今回ご紹介したいのは、どのようにパワーの不均衡に対応するかというところです。

パワー(力)の不均衡への対処

「コプロダクションでは、権力や力(パワー)の問題に意識して注意を払い、そこにパワーの違いがあることがわかったら、パワーの弱い人へとパワーをシフトさせるような行動を取るべきである」と記載されていて、そのやり方の例としていくつもの例が上がっていました。その中から抜粋すると:

  • 当事者がプロジェクトを主導できるよう支援し、資源を提供する。
  • 当事者がミーティングの議題を決め、特定の議題や活動に費やす時間を決める。
  • その取り組みの過半数が当事者であることを確認する
  • ガバナンス(管理等)をする当事者運営グループを設立する。
  • 会議の開始時に、サービス・システム(医療やその他の制度)に関わる際に力の喪失を経験した、または経験している人々を認める。
  • パワーのある人が席をはずす(物理的にその場を離れる)など、パワーのない人がパワーの不均衡が生じない形で検討したり議論したりする機会を作るなどもできる。
  • パートナーシップがどのように進んでいるかを見直す時間を定期的に設ける。
  • パートナーシップのあらゆる段階において、力の差に気づき、声を上げ、表に出し、対処するために、時間、思考、努力、計画を考慮する。
  • グループの目的を支援するために異議をはさまずに使用できる裁量資金
  •  「このグループの辞書」を作る:当事者(必ずしもそうでなくても)にとって不親切な言葉・助けにならない言葉は、コプロダクションの場では代替の言葉が使われる。

などがありました。

当事者を半数以上とする、伝わる言葉を使う、など、常に意識しておきたいことがたくさんあると感じました。それと同時に、この項で言われていたのが「どのような方策が助けとなりそうか、どれをやってみるかは特に当事者が主導して決める」ということです。

 

良かれと思って先回りして何かをするのではなく、共に取り組む人と話し合いながらやっていくことが重要だと思いました。事前に考えて「気を利かせる」というようなことをしてしまいがちですが、コプロダクションに限らず、互いに声に出しながら決めていく、声を出しやすい環境を作る、ということが何より大事なのだと感じています。声を出しやすい環境を作るためには自分の醸し出してしまう空気や圧にも気付く必要があり、それにも意識を向けて。

東京大学 コプロダクション研究チーム 宮本有紀

 

 

共同創造Co-production資料26 その2: 精神保健領域で共同創造の原則を実践する

前回に引き続き、Roper, Grey, Cadoganによる、Co-production: putting principles into practice in mental health contexts(共同創造の原則を精神保健領域での実践に取り入れる)
https://healthsciences.unimelb.edu.au/departments/nursing/about-us/centre-for-psychiatric-nursing/news-and-events/test
冊子のPDFはこちら
についてです。
Roper C, Grey F, Cadogan E. Co-production – Putting principles into practice in mental health contexts. 2018.

ここでは、old power(旧来のパワー)、new power(新しいパワー)について対比されていて

旧来のパワー(権力)の価値観では、

  • 管理主義、制度主義、代表統治
  • 排他性、競争、権威、資源の統合
  • 裁量、守秘義務、私的領域と公的領域の分離
  • プロフェッショナリズム、専門化
  • 長期的な所属と忠誠心
    全体を通じての参加は少ない

新しいパワーの価値観

  • 非公式、参加意思のある人たちによる意思決定、自己組織化、ネットワークガバナンス
  • オープンソースコラボレーション、集団の知恵、共有
  • 根本的な透明性
  • DIY、作る文化
  • 短期的、条件付き所属
    全体を通じての参加はより多い

Source: Jeremy Heimans and Henry Timms, 2014

として挙げられていました。

ちなみに、
Jeremy Heimans and Henry Timms, 2014 とは
Heimans, J., & Timms, H. (2014). Understanding “New Power”. Harvard Business Review, https://hbr.org/2014/12/understanding-new-power
です。

コプロダクションに大切なこととして、

  1. その取り組みに関わる全員が、コプロダクションとその取り組みに賛同し、その両方を擁護する意思がある。個人や組織の中途半端な参加は、グループの活動を前進させるのに十分ではなく、有害になる可能性がある。
  2. 組織の背景などがある場合、関連組織内のリーダーや意思決定者が、コプロダクションとその取り組みの両方について、始める前から理解し、支援すること。
  3. 関係者全員が、リスクを取ることを厭わない。コ・プロダクションは、仕事とパートナーシップに取り組む新しい方法である。計画して熟慮しつつリスクを取ることは、その過程で見出されていく新しいパワーやさまざまな動き方の利点を認識するために必要である。
  4. グループ内の人々にコプロダクションへの対応力がない場合、コプロダクションの専門知識と支援へのアクセスが必要である。

が挙げられていました。

 

これまでの常識のようなものが旧来の力として新しいものの発現や創造を妨げてしまうことがあり、新しい考え方や新しい価値観にひらかれている、ということがコプロダクションで重要なことだということを感じます。それと同時に、自分は新しい価値観や自分と異なる考え方にひらかれているだろうか、自分が思っていることとは違う意見がたくさん出てきたときに、その場にとどまり一緒に作っていこうと思うには、何のために、というミッション(?)と、互いへの信頼や敬意が必要だな、と感じました。
東京大学 コプロダクション研究チーム 宮本有紀

共同創造Co-production資料26 その1: 精神保健領域で共同創造の原則を実践する

コプロダクション(共同創造)の資料類は、英国でたくさん発表されていますが、オーストラリアからもどんどん出てきている印象があります。
今回は、2018年にメルボルン大学から出されている Co-production: putting principles into practice in mental health contexts(共同創造の原則を精神保健領域での実践に取り入れる)
https://healthsciences.unimelb.edu.au/departments/nursing/about-us/centre-for-psychiatric-nursing/news-and-events/test
についてご紹介したいと思います。

上記メルボルン大学の紹介記事によると、この資料はconsumer academic(当事者研究者?)であるCath Roperさんと、consumer consultant and peer supporter(当事者コンサルタントでありピアサポーター)であるFlick Greyさんと、senior project officer from Victoria’s Department of Health & Human Services(ヴィクトリア州保健福祉省のプロジェクト長)のEmma Cadoganさんの3人と、たくさんの方達で一緒に作られたとあります。

「コプロダクションにおいて最も重要なことは、考え方を変え、探求したり学んだりすることを受け入れる文化、当事者の知識や専門性を真に価値あるものとして扱う文化を確立することである。」
「コプロダクションは、政府、専門職、当事者や地域などが担い手になり得る。そして、サービスや医療、政策、プロジェクト、研究、研修などのアイディア、解決策、成果などを共に作り上げることができる。」
「コプロダクションは、パートナーシップを築いている関係の中のパワーの違いを認識し、それに対処しようとする」
「コプロダクションには時間がかかる。信頼し尊重し合うような関係を築くには、時間と配慮が必要である。不平等について話し合ったり対処したりするには、時間と配慮が必要である。」
「当事者ははじまりのはじまりからパートナーである」
「パワーの差は認識され、検討され、対処される」
「当事者のリーダーシップと能力が開発される」

など、パワー(power)についての言及がたくさんあります。

精神保健領域で当事者(consumer)と言われる方々と専門職の間にあるパワーの違いを認識することはコプロダクションのベースなのだな、と再認識しました。

資料の冒頭に、「コ・プロダクションはモデルではなく、むしろ価値観と原則を持つ理論である。」(In fact, co-production is not a model, rather it is a theory with a set of values and principles.) と記載されていて、モデルではなく理論というあたりについて、どういうことだろう?ともっと知りたいと思っています。
東京大学 コプロダクション研究チーム 宮本有紀

共同創造Co-production資料25: RECOLLECT Checklist と RECOLLECT Fidelity Measure

リカバリーカレッジの現在の発展状況を確認するチェックリスト(RECOLLECT Checklist)と、リカバリーカレッジが、英国のリカバリーカレッジをモデルとする考え方での理想のリカバリーカレッジにどの程度合致しているかを見るフィデリティ尺度(RECOLLECT Fidelity Measure)というものがあります。

ノッティンガム大学のリカバリー研究チームが開設しているウェブサイトである「Research into Recovery」の中に、これらの尺度の各国語版が誰にでもダウンロードできる形で公開されています。
https://www.researchintorecovery.com/measures/recollectfidelitymeasure/

日本語版の作成に、東京大学コプロダクション研究チームの宮本も参加させていただきました。
リカバリーカレッジを開催されている方やこれから作りたいと思われる方、リカバリーカレッジに参加されている方、さまざまな方にご参考になるかもしれません。
リカバリーカレッジに関連する尺度やリストではありますが、共同創造の考え方もかなり入っています。
これらを、リカバリーカレッジに関わっている人達(運営委員など)皆で自分のリカバリーカレッジについてつけてみたり、リカバリーカレッジに参加している受講者さんと一緒につけてみたりするなどで、いろいろな発見があると感じています。

共同創造Co-production資料24その4: Co-Production in Practice Guidance Document: 2018 – 2020 (HSE)

しばらく前から引き続き、アイルランドのHealth Service Executive(HSE)が出している資料の「Co-Production in Practice Guidance Document: 2018 – 2020 (共同創造の実践のガイダンス)」の部分のご紹介です。
https://www.hse.ie/eng/services/list/4/mental-health-services/advancingrecoveryireland/national-framework-for-recovery-in-mental-health/co-production-in-practice-guidance-document-2018-to-2020.pdf

この資料の付録2(p.22-23)として、コプロダクション(共同創造)のチェックリストがついています。
全ての問いに、はい、いいえ、でチェックする形式です。
(このチェックリストは、おそらくリカバリーカレッジでの共同創造を念頭に置いていると思われます。

いくつか抜粋してご紹介しますと
準備:共同創造の前に
ファシリテーター・関係者間で葛藤や、効果的な共同創造を妨げるような何かがあるか?
ファシリテーター・関係者に共同創造活動をするために準備するのに十分な時間があるか?
ファシリテーター・関係者に専門職などの上下関係があるか?
ファシリテーター・関係者は対等に共に活動したいと思っているか?
ファシリテーター・関係者はピアサポートワーカーとかリカバリーカレッジといった新しいリカバリーの考え方や役割、共同創造の重要性を受け入れたいと思っているか?
この共同創造の活動はどの人にとってもアクセスしやすい地で起きるだろうか?(たとえば地方でも?)
支援職のファシリテーターはこの共同創造活動に関わることを上司からサポートしてもらえるか?
ファシリテーター・関係者は、ファシリテーションや共同創造に関する適切なトレーニングを受けたか?
ファシリテーター・関係者は、どんな風に共同創造をできるかについての計画を立てたか?

提供:共同創造のさなかに気にとめること
ファシリテーター・関係者は、そのプログラムについての準備ができているだろうか?
(講座の時)参加者の到着時や休憩時に茶菓があるか?
など項目が続いています。

評価:ファシリテーター・関係者が資料・題材の共同創造や共同提供をどのようにできたか
その共同創造活動を計画通りにできたか?
ファシリテーター・関係者へのサポートはあるか?(カウンセリングや振り返りなど?)
ほか

正直なところ、これは共同創造のチェックリストとして必要だろうか??チェックしてnoだった場合にはどうするのだろう?どうしたらよいのだろう?と思う項目もありましたが、共同創造をどのようにしていけるか、共同創造をしていくために必要な工夫を考えるためにも、現状を知る、お互いの見え方を知るということは重要だなと感じました。こういったチェックリストを、共に共同創造に関わる人達で一緒につけてみるということもよいなと思いました。
東京大学 コプロダクション研究チーム 宮本有紀